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健保ニュース 2022年10月下旬号

医療保険部会が出産一時金を議論
増額財源に税投入の意見も

社会保障審議会医療保険部会(部会長・田辺国昭部会長)は13日、医療保険制度改革に向けて、出産育児一時金をテーマに議論した。

この日の会合では、厚生労働省が、現行の出産育児一時金(本人支給分40.8万円+産科医療補償制度の掛金分1.2万円)に関連する出産費用や出産にかかるサービス・情報収集の現状などを説明した。

令和3年度の室料差額、産科医療補償制度掛金、その他の費目を除いた平均出産費用(正常分娩)は47万3315円(公的病院45万4994円、私的病院49万9780円、診療所46万8443円)で、全施設と公的病院の出産費用(正常分娩)は年間平均1%前後で増加。

平成24年度(41万6728円)と比べ14%(5万6587円)増加し、費目別にみると、▽入院料(5%増)▽分娩料(20%増)▽新生児管理保育料(1%減)▽検査・薬剤料(21%増)▽処置・手当料(21%増)─の状況だった。

3年度の公的病院(45万4994円)における都道府県別出産費用は、最高の東京都(56万5092円)と最低の鳥取県(35万7443円)で20万7649円の差が生じている。

地域の所得水準、医療費水準、物価水準、私的病院の割合、妊婦年齢等が出産費用の増加や地域差の要因となっていた。

他方、出産施設選択時の情報収集の簡便さ、情報の入手度、情報収集への満足度をみると、「出産費用の説明方法・内容」がいずれも低かった。

そのうえで、厚労省は、▽施設種別、費目、地域による出産費用の違いを含む出産育児一時金の引き上げ額▽出産育児一時金の費用を後期高齢者医療含む医療保険制度全体で支え合う仕組み▽妊産婦が受けるサービスに応じた出産費用の見える化─を論点として提案した。

健保連の佐野雅宏副会長は、出産育児一時金の引き上げを全世代で支えていく仕組みの実現を改めて強く要望。

そのうえで、「妊産婦の適切な医療機関の選択に資する情報の見える化が不可欠」との考えを示し、費用の内訳も含む出産費用の見える化と、情報提供の仕組みの構築を訴えた。

また、平成24年度から2割増しとなっている「分娩料」を例に、「適正な費用のあり方についての検討も必要」と主張した。

前葉泰幸委員(全国市長会相談役・社会文教委員/津市長)は、「出産育児一時金の引き上げが政府の少子化対策として実行されるなら、税が投入されてしかるべき」と問題提起。「こども保険」がない日本では税を投入する必要があるとの認識を示し、検討を求めた。

猪口雄二委員(日本医師会副会長)は、「若い世代が出産を躊躇することがないよう、出産育児一時金の十分な引き上げが必要」と言及する一方、後期高齢者がその費用を負担することには難色を示した。

菅原琢磨委員(法政大学経済学部教授)は、「出産育児一時金の引き上げは、負担能力のある方が全世代で支えることが筋」と述べた。

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