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健保ニュース 2022年9月下旬号

看護処遇改善とオン資加算新設
厚労省が4年10月改定を告示

厚生労働省は5日、令和4年度診療報酬改定(10月改定分)について官報告示し、「看護の処遇改善」と「医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務づけおよびこれに伴う診療報酬上の加算の取り扱い」の留意事項等を地方厚生局と都道府県に周知した。

「看護の処遇改善」は、4年度診療報酬本体改定率(0.43%)のうち0.2%分を活用。地域で一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員等を対象に、10月以降、3%程度(月額平均1万2000円相当)収入を引き上げるための処遇改善の仕組みとして、「看護職員処遇改善評価料」を新設した。

同評価料は、看護職員等数や入院患者数に応じ、「最低1点」~「最高340点」から成る165区分の所定点数を設定。対象となる医療機関は、入院基本料、特定入院料、短期滞在手術等基本料に、1日につき所定点数を上乗せして算定できる。

対象医療機関は、▽救急医療管理加算の届出を行い、救急搬送件数が年間200件以上▽救命救急センターを設置─のいずれか。看護職員(看護師、准看護師、保健師、助産師)のほか、医療機関の判断により看護補助者・理学療法士・作業療法士等のコメディカルの賃金改善に充てることも可能とした。

同評価料の医療機関ごとの点数は、「看護職員等数」および「延べ入院患者数」を用いて算出。「看護職員等数」が多く、「延べ入院患者数」が少ない場合は高い点数区分に該当する。

医療機関に対しては、看護職員等の賃金改善額と同評価料による収入額を記載した計画書および実績報告書の提出を求める。

対象医療機関が10月20日までに地方厚生(支)局へ施設基準にかかる届出書を提出した場合、10月1日から同評価料の算定を開始できるスケジュールとなっている。

他方、「医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務づけおよびこれに伴う診療報酬上の加算」は、紙レセプトによる請求が認められている医療機関・薬局を除き、来年4月からオンライン資格確認の導入を義務化する。

これに伴い、4年度診療報酬改定で導入したオンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用にかかる「電子的保健医療情報活用加算」を廃止したうえで、初診時等における診療情報取得・活用体制の充実にかかる「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」を新設し、今年10月から適用。

新たな加算は、廃止する現行加算の財源を活用し運用するため、医療費への影響は生じない。

オンライン資格確認を行う体制を有する医療機関・薬局を受診した患者がマイナンバーカードと一体化した健康保険証(マイナ保険証)を利用する場合は初診に2点(調剤は6か月に1回1点)、利用しない場合は初診に4点(同3点)を上乗せする。

同加算を算定する医療機関等は、▽オンライン資格確認を行う体制を有している▽患者に受診歴、薬剤情報、特定健診情報その他必要な診療情報を取得・活用して診療を行う─ことを院内およびホームページ等に掲示し、必要に応じて患者への説明を求める。

また、医療機関は患者への初診時問診票の項目について、▽マイナ保険証による診療情報取得に同意したか▽他の医療機関からの紹介状を持っているか─などを参考に定めることとした。

薬局は、「服薬管理指導料」の事項を参考に、患者から調剤に必要な情報を取得し、薬剤服用歴等に記載することを求めた。

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