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健保ニュース 2022年8月下旬号

厚労省が出産費用調査の結果報告
公的病院45万円、全施設47万円
自民党合同会議 出産一時金の財源が課題

自民党の少子化対策調査会(衛藤晟一会長)・社会保障制度調査会(加藤勝信会長)・医療委員会(田村憲久委員長)合同会議は4日、出産支援をテーマに議論した。

「骨太方針2022」は、「出産支援として、不妊症・不育症等支援や妊産婦支援・産後ケアの推進等に取り組むとともに、出産育児一時金の増額を始めとして、経済的負担の軽減について議論を進める」と明記。出産育児一時金の取り扱いが政府における検討の俎上に上がっている。

この日の会合では、厚生労働省が「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)」の結果を報告し、質疑・応答を行った。

出産費用の増加要因や地域差の分析では、出産費用は年間平均1%程度で上昇し、令和2年度の室料差額、産科医療補償制度掛金、その他の費目を除いた平均出産費用は公的病院「45.2万円」、全施設「46.7万円」であることが明らかになった。

公的病院は、私的病院や診療所よりも平均出産費用が低い傾向にあり、私的病院は高額帯にバラツキが大きく、平均出産費用を引き上げていることがわかった。

地域の所得水準や物価、医療費水準、私的病院の割合、妊婦年齢等が出産費用の増加要因や地域差の要因で、そのなかでも所得水準の影響が最も大きくなっている。

公的病院の都道府県別出産費用(室料差額等を除く)をみると、最高の東京都(55万3021円)と最低の佐賀県(35万1774円)では20万円を超える差が生じている。

他方、妊婦へのアンケート調査では、出産場所の選択理由として、▽アクセス距離▽施設ブランド▽設備環境▽スタッフ対応─の比重が高い傾向にあり、出産場所の決定時にもっと欲しかった主な情報は、▽費用▽医療体制▽付帯サービス─などだった。

出席した議員からは、出産育児一時金の増額財源について、医療保険制度の保険料の枠内、それともそれ以外で賄うのかを検討すべきとの問題提起や、掛金が出産育児一時金に包含されている産科医療補償制度の課題も合わせて見直すべきなどの意見があった。

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