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健保ニュース 2022年5月合併号

特定健診・保健指導
効果的な実施方法 実証事業を開始
愛鉄連健保組合が初の試み

愛鉄連健保組合(江原功一理事長)は4月20日、厚生労働省の補助金事業を活用した、特定健診・保健指導の効果的な実施方法を検証する実証事業の開始を発表した。健保組合として実証事業を行うのは初の試みで、その成果が期待される。

同健保組合では、これまで健診結果にもとづく健康支援や再検査・受診の勧奨を行う「愛・健康サポート事業」を実施してきたが、より積極的かつ効果的に推進するため、厚労省の補助金事業として申請していた。

事業を実施するにあたり、アクサ生命、データホライゾンの各社に加え、帝京大学と協定を締結。事業内容は①コラボヘルス事業(健康経営支援事業)②企業・被扶養者アンケート事業③分析事業─の3つで構成されている。

①ではアクサ生命に所属する健康経営アドバイザーが各適用事業所を訪れ、従業員の生活習慣や仕事の満足度など生産性に与える影響を調査する「従業員健康習慣アンケート」を実施するほか、健康経営の実現に向けたサポートを行う。

②では被扶養者を対象に、健診を受けない理由を把握し、健診受診率の向上と医療費の適正化を目指す。さらに③では、過去10年間にわたる医療費や健診データを分析し、これまでに取り組んだ事業の効果を検証することとしている。

事業開始にあたり、同健保組合では関係者を集めたキックオフミーティングを同日に開催。冒頭、あいさつに立った江原理事長は、同健保組合では従来から適用事業所を積極的に訪問し、健診後の保健指導を勧奨するなどの健康管理に取り組むとともに、健康経営への支援も行ってきたと報告。

その結果、今年の健康経営優良法人は大規模で4社、中小規模で83社の計87社が認定されたとの成果を明らかにした。

しかし、572社ある全ての適用事業所の訪問はできていないため、今回の事業を契機に全事業所が健康経営に取り組むことができれば、健康管理はさらに進み生産性への向上が期待されるうえ、医療費の適正化にもつながることが立証されれば、自組合だけでなく他の健保組合へのモデルにもなると述べ、今後の事業の成果に期待感を示した。

続いて同健保組合の井﨑茂常務理事は、全適用事業所のうち約7割が従業員数50人未満の事業所で構成されており、事業所単独ではなかなか健康経営に踏み出せていない現状を説明。

こうした事業所に健保組合として何が還元できるのかという想いのもと、他の健保組合に先駆けて健康経営支援をはじめとする事業を展開してきたと述べた。

さらに今回の事業により、加入者自身が健康管理に取り組むことで重症化予防に寄与し、健保組合には保険給付費の削減につながり、最終的に保険料への還元に結びつくとの見通しを示した。

加えて健康経営に取り組む適用事業所にとっては、その成果を広くアピールすることにより、優秀な人材の獲得にも寄与すると説明した。

現在、同健保組合では適用事業所572社のうち、150社がすでに健康宣言を出している。井﨑常務理事は、健康宣言提出事業所160社、健康経営優良法人認定事業所100社を今年度の目標として掲げ、事業に精力的に取り組む姿勢を改めて強調した。

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