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健保ニュース 2022年2月下旬号

中医協・支払側委員が答申後に会見
松本理事 入院医療の見直しを評価
機能分化・強化と連携を前進

中医協における令和4年度の診療報酬改定の答申を受け、中医協支払側委員による記者会見が9日、開催された。

健保連の松本真人理事は今回の改定について、入院医療における重症度、医療・看護必要度の評価項目から、心電図モニターの管理が削除されたことを評価したうえで、入院医療の機能分化・強化を促し、患者の状態を適切に反映できるとの考えを示した。

松本理事は今回の改定にあたり、新型コロナウイルス感染症拡大という教訓をどう活かすかという考え方を踏まえ議論に臨んだと説明。その結果、今回新設された「感染対策向上加算」、「外来感染対策向上加算」により、今後、医療機関の体制整備や院内感染防止対策の充実がより推進されるとの期待感を示した。

さらに充実した急性期入院医療を提供する急性期病棟を評価する「急性期充実体制加算」が新設されたことを取り上げ、入院医療の機能分化・強化という側面から、今回、新型コロナに対応する病床がなかなか確保できなかったという反省を踏まえた対応との考えを明らかにした。

そのうえで、入院医療については、急性期・回復期・慢性期それぞれの報酬体系において、患者の状態と医療資源の投入量に応じた評価を前進させることができ、なかでも入院医療の機能分化・強化や連携を推進する観点で、重症度、医療・看護必要度の評価項目から心電図モニターの管理が削除されたことは、患者の状態を適切に反映できる内容だと一定の評価をした。

また、該当患者割合の基準値が、一部を除き緩和されたことに対しては、激変緩和措置ということでやむを得ないと判断したが、評価区分が1つ少なくなり、該当患者割合の基準値の刻みが大きくなったことで、メリハリが利いた内容となったと前向きに受け止めていることを明らかにした。

さらに、急性期一般入院料1の重症度、医療・看護必要度Ⅱの要件について、200床以上まで対象を広げ測定方法の精緻化が図られたことは、次の改定につながるものと強調した。

外来医療については、今回の機能強化加算における施設基準や算定要件の見直しで、地域でかかりつけ医が担うべき役割が明確になったと評価。そのうえで、新設された「紹介受診重点医療機関入院診療加算」によって、どれだけの医療機関が手をあげ、紹介・逆紹介をしてもらえるか、今後注視するとの意向を明らかにした。

さらに、今回の改定で導入されたリフィル処方箋については、医療機関と薬局の機能分化・連携という観点を踏まえた新しい仕組みであり、焦らずに健全な形で拡大することを期待した。また、データ提出加算が新設されたことについては、在宅やリハビリを含めデータを分析することが重要であるとの考えを示し、将来的には専門分科会を設置し検証すべきと述べた。

公益裁定で決着したオンライン診療の取り扱いについては、患者にとって利便性だけでなく、新型コロナウイルスなど感染のリスクを軽減できる安全性のメリットもあると、その機能を強調。

今後の診療報酬のあり方については、オンライン診療、オンライン資格確認など、これまでになかった新しいものをどう評価するか、さらには日々進化する医療技術、医薬品、医療機器などの評価に加えて、長きに亘り残っているものが妥当なものかどうかといった課題を報酬にどう反映させるかの議論が必要と指摘するとともに、こうした内容を国民に分かりやすく伝えていくことが重要との認識を示した。

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