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健保ニュース 2022年2月下旬号

令和4年度の歯科診療報酬改定
初・再診料を「3点」引き上げ
か強診 地域連携体制の要件を追加

歯科診療報酬の令和4年度改定は、院内感染防止対策が講じられた歯科医療機関で安心・安全に治療できることや、大きなう蝕も金属を用いない詰め物(インレー)で治療できることなどをポイントとする。

歯科外来診療における院内感染防止対策を推進し、新興感染症にも適切に対応できる体制を確保する観点から、「歯科初診料」における歯科医師および職員を対象とした研修等にかかる要件を見直すとともに、「歯科初診料」と「歯科再診料」の評価を現行の「261点」、「53点」からそれぞれ「3点」引き上げる。

かかりつけ歯科医機能の充実に向けては、地域における連携体制にかかる要件等を見直す。

「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」の施設基準に、「過去1年間に福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設、介護老人福祉施設または介護老人保健施設等における定期的な歯科健診に協力していること」を追加する。

質の高い在宅歯科医療の提供を推進するため、診療時間が20分未満の歯科訪問診療を行った場合の減算について、同一建物に居住する1人の患者への「歯科訪問診療1」は「880点」、2人以上9人以下の患者への「同2」は「253点」、10人以上の患者への「同3」は「111点」に見直す。

歯科訪問診療の実態を踏まえた対応で、「補綴・義歯関係(修理・調整・指導)」や「補綴・義歯関係(新規作製)」が多い「歯科訪問診療1」の減算幅(現行3割)を2割に縮小する一方、「口腔衛生」や「医学管理」が多い「歯科訪問診療3」の減算幅は4割に拡大する。

また、▽10歯未満400点▽10歯以上20歯未満500点▽20歯以上600点─が算定可能な「在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料」の対象疾患に「口腔機能低下症」を追加するとともに、評価をそれぞれ「50点」引き上げる。

歯科診療所と病院の機能分化・連携の強化を図ることを目的に、「歯科診療特別対応連携加算」の施設基準に「歯科診療を担当する他の医療機関との連携体制の整備」を追加したうえで、評価を現行の「100点」から「150点」に増点する。

全身の健康にもつながる歯周病の安定期治療および重症化予防治療をさらに推進する観点から、「歯周病安定期治療(Ⅰ)・(Ⅱ)」を整理・統合し、評価を見直す。「か強診」で歯周病安定期治療を開始した場合は、「120点」を所定点数に加算することとした。

歯科衛生士等による訪問歯科衛生指導の実施時に、歯科医師が情報通信機器を用いて状態を観察した患者に対して、歯科訪問診療を実施し、観察内容を診療に活用した場合の評価として、「通信画像情報活用加算(月1回30点)」を新設する。

ライフステージに応じた口腔機能管理を推進するため、65歳以上の「口腔機能管理料(月1回100点)」と15歳未満の「小児口腔機能管理料(月1回100点)」について、対象患者をそれぞれ「50歳以上」、「18歳未満」に拡大する。

コンピュータ支援設計・製造ユニットを用いて作成した、金属代替材料による歯冠修復物の評価として、「CAD/CAMインレー(750点)」を新設する。小臼歯または一部の大臼歯に対して歯冠修復物(全部被覆冠を除く)を設計・製作し、装着した場合に限り算定することとした。

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