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健保ニュース 2021年10月上旬号

医療など10月以降の感染症対策
年末まで補助金で支援継続
コロナ患者 報酬上の特例対応も拡充

田村憲久厚生労働相は、9月28日の閣議後記者会見で、医療、介護、障害福祉における感染症対策について、10月以降、補助金でかかり増し経費を直接支援するとともに、医療機関等における新型コロナ患者への診療に対する報酬上の特例的な対応を拡充する方針を表明した。

今年4月から9月までは診療報酬上の特例加算で支援してきた医療機関等における感染症対策について、10月から12月の3か月間、補助金により支援を継続する。

感染症対策については、昨年12月17日の令和3年度予算編成に向けた麻生太郎財務相と田村厚労相の大臣折衝で合意し、翌日の中医協総会で3年度の毎年薬価改定とセットで了承。

3年4月から9月末までの半年間、必要な感染予防策を講じた医療機関に対し、▽初・再診は1回5点▽入院は1日10点▽調剤は1回4点▽訪問看護は1回50円─を基本診療料に上乗せする加算の算定を特例的に認めた。

10月以降は、延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域医療の実態等にもとづき、単純延長することも含め必要に応じ柔軟に対応することとされ、厚労省は必要な対応について財務当局と交渉を進めてきた。

支援は、10月1日から12月31日までにかかる感染防止対策に要する費用について、「医療」は国が直接執行する補助金により、▽病院・有床診療所(医科・歯科)は10万円▽無床診療所(医科・歯科)は8万円▽薬局、訪問看護事業者、助産所は6万円─を上限に継続する。

「介護」は、地域医療介護総合確保基金の枠組みを活用し、基本報酬の0.1%特例の対象としていたすべての介護施設・事業所に対し6万円を上限に支援。「障害福祉」は、都道府県等向けの補助金の枠組みを活用し、基本報酬の0.1%特例の対象としていたすべての障害福祉サービス等事業所に対し3万円を上限に支援する。

「介護」、「障害福祉」とも、サービス別等に補助上限を設定するとともに、医療等との重複支給を避ける。

他方、新型コロナ患者の診療にかかる報酬上の特例的な対応は、「外来」は疑い患者への診療の特例として、4年3月末まで院内トリアージ実施料の特例(300点)を「550点」に拡充。また、コロナ患者への外来は「950点」の算定を認め、抗体カクテル療法のロナプリーブを投与した場合は、現行の「950点」から3倍相当の「2850点」に増点する。

また、「在宅」は、自宅・宿泊療養者への対応を強化するため、緊急往診の特例を拡充し、ロナプリーブ投与の場合は現行(950点)の5倍相当の「4750点」、その他の場合は3倍相当の「2850点」にそれぞれ増点。緊急の訪問看護の特例についても、現行の「520点」から「1560点」に拡充する。

「歯科」は、呼吸管理を行うコロナ患者の口腔粘膜処置にかかる特例(100点)が算定可能となるほか、自宅・宿泊療養中のコロナ患者に対し、時間要件を緩和したうえで、訪問診療を実施した場合にかかる特例(330点)の算定を認める。

「調剤」は、自宅・宿泊療養者への緊急訪問(500点)や、電話等による服薬指導(200点)の特例的な算定を容認。また、自宅・宿泊療養者の服薬状況の医療機関への文書による情報提供の特例(月1回30点)について、算定上限を撤廃する。

小児特有の感染予防策を講じたうえで6歳未満の乳幼児への外来診療を実施した場合、初診、再診にかかわらず、患者ごとに「医科100点」、「歯科55点」、「調剤12点」を追加的に算定可能とする小児外来にかかる特例については、10月から4年3月末まで半額の「医科50点」、「歯科28点」、「調剤6点」の算定を認め、支援を継続する。

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