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健保ニュース 2021年9月下旬号

令和2年受療行動調査
最初から病院外来は逓減傾向
定額負担導入後の状況

厚生労働省は13日、3年ごとに実施する「受療行動調査」の令和2年概数集計結果を公表した。それによると、外来患者の受診場所について、別の病院や診療所を経ずに最初から今の病院で受診した割合は、外来患者全体の53.7%を占め、平成29年の前回調査に比べ0.2ポイント減少した。

これを病院種別でみると、特定機能病院で最初に外来を受診した患者の割合は29.7%(前回比0.7ポイント減)、同様に500床以上の大病院では39.1%(同1.1ポイント減)、100~499床の中病院では56.0%(同0.2ポイント減)、99床以下の小病院は65.5%(同0.9ポイント増)と、小病院を除いて低下した。

こうした傾向は、平成28年度以降、一定規模の病院に紹介状なしで外来受診した場合、患者から特別の定額負担(初診5000円以上、再診2500円以上)を徴収することが義務化された影響と考えられる。

特定機能病院と地域医療支援病院が定額負担徴収の対象施設であり、地域医療支援病院については、28年度に一般病床500床以上、30年度に許可病床400床以上、令和2年度に一般病床200床へと段階的に広げた。

定額負担導入後の初の調査となる前回平成29年は、最初の受診場所が病院である外来患者は53.9%で、26年に比べ3.7ポイント低下。今回の令和2年調査は、前回から対象病院が許可病床400床以上、さらに一般病床200床以上と広がっているが、病院全体で0.2ポイント減と小幅な低下にとどまった。

今回の調査で、最初に診療所・クリニック・医院を受診した外来患者の割合は全体の17.7%と前回から同2.3ポイント増、最初は他の病院を受診した外来患者は26.6%と同0.7ポイント減少した。

外来患者の来院の目的は、慢性疾患など定期的な診察や薬の処方が42.4%、症状の診察が20.6%、検査が19.6%など。健康診断や予防接種が6.1%だった。

予約をした外来患者の割合は全体の77.4%と前回に比べて6.0ポイント上昇。病院種別では特定機能病院が93.8%、大病院が91.2%、中病院が79.8%、小病院が65.7%だった。

診察までの待ち時間は、「15分未満」が27.9%と最も多く、「15~30分未満」が25.8%、「30分~1時間未満」が20.9%で、約7割が1時間未満だった。

診察時間は、「5~10分未満」が41.2%と最も多く、「5分未満」27.7%、「10~20分未満」15.7%となっている。

初診時に自覚症状が「あった」は66.8%、「なかった」は28.1%で、なかった患者が受診したきっかけは、「健康診断で指摘された」が45.0%、「他の医療機関で勧められた」が24.2%だった。

入院患者については、入院までの期間が緊急入院や救急搬送を含めて「1週間未満」が54.4%と半数を超え、「1週間~1か月未満」が24.0%、「1か月以上」が12.8%となっている。入院まで1週間以上かかった理由は、「自分や家族等の都合」が20.8%、「その他」20.3%、「手術や検査の予約が取れない」16.9%などとなっている。

今後の希望は、「完治するまでこの病院で入院」が45.1%、「自宅から通院」31.2%、「介護を受けられる施設で治療・療養」6.3%、「自宅に医師や看護師が定期的に訪問」3.7%。退院許可が出た場合、「自宅で療養できる」は58.0%だった。自宅療養を可能にする条件は、「入浴や食事などの介護が受けられるサービス」が39.3%、「家族の協力」34.7%、車椅子やベッドなどの「療養に必要な用具」28.0%となっている。

病院に対する満足度は、「満足」が外来で64.5%、入院で68.9%、「不満」は外来で3.8%、入院で4.9%を占めた。

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