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健保ニュース 2021年7月下旬号

経済同友会が社会保障のあり方を提言
突き抜け型高齢者医療 健保組合が選択導入
後期高齢者支援金は対象外

経済同友会(櫻田謙悟代表幹事)は19日、「活力ある健康長寿社会を支える社会保障のあり方―コロナ禍を経て、今改めて考える―」と題した提言を公表した。75歳以上の元従業員が健保組合に継続加入するいわゆる「突き抜け型」の仕組みを、健保組合の選択により適用し、後期高齢者支援金の対象外とすることなどを盛り込んだ。今年6月に成立した改正健保法の附則において、政府が全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築する観点から着手するとされた「総合的な検討」に際し、考慮されるべき制度の基本的な考え方をまとめた。

提言では、人口構造の変化を踏まえて、▽令和4年以降に団塊世代が後期高齢者入りすることにより社会保障給付費がさらに増加する▽22年頃から前期高齢者入りする団塊ジュニア世代は非正規労働者が多く、高齢期の生活が不安定になるリスクが高い―ことから、受益と負担のバランスを再設計する必要があると問題提起。後期高齢者支援金負担の増加や総報酬割の導入等により、働く個人の可処分所得は伸びが鈍化し、個人消費低迷の一因にもなっているうえ、企業の社会保険料負担も増加していると指摘した。結果として、社会の活力が損なわれれば、社会保障制度も持続可能でないことから、医療・介護について、給付の伸びを経済成長の範囲内に収めるなどの制約を設ける必要性を主張した。

制度面の改革の方向性としては、▽後期高齢者支援金の加算・減算制度のインセンティブのさらなる強化▽目標値を超える高齢者を継続雇用している企業への後期高齢者支援金の減算制度適用▽健保組合が選択すれば75歳以降も企業健保に継続加入できるようにし、当該組合には後期高齢者支援金の拠出を求めないこと―などを盛り込んだ。

また、マイナンバーとデジタル技術を活用した施策を要請。生涯を通じた健康・医療・介護データのデジタル化とそれらを集積したPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)の構築を求めるとともに、健康・医療データにかかる本人のオーナーシップとポータビリティの確立や、医療サービスや薬剤の費用対効果の継続可視化による、診療報酬決定への活用などを提言した。

マイナンバーによる経済状況の把握を通じた施策としては、▽社会保障の単位の「世帯」から「個人」への転換▽マイナンバーの徹底活用を通じた1人ひとりの経済状況の正確な把握による負担の公平化と給付の効率化・迅速化▽所得と資産に応じた受益と負担への転換(応能負担の徹底)―を提起した。

このほか、緊急性が高く、生命の維持に直結する医療を含む大きなリスクについては公助の考えのもと給付率を維持する一方、自身で管理できるような小さなリスクについては自助の観点から、給付率の引き下げや、OTC医薬品への転換など保険適用外とする改革の方向性を示した。

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