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健保ニュース 2021年2月上旬号

協会けんぽ・3年度都道府県別の保険料率
支部間格差が1.18ポイントに拡大
10%超は23支部

全国健康保険協会(安藤伸樹理事長)は1月26日、運営委員会を開き、令和3年度の都道府県支部別の健康保険料率を決定した。全国平均料率は2年度と同じ10.0%。10%を超えたのは23支部で、47都道府県支部のうち富山を除く46支部で料率の変動があり、支部間の料率の格差は2年度に比べ拡大した。また3年度の介護保険料率は、2年度の1.79%から1.80%と3年連続の引き上げとなった。

3年度の医療分の収支見込みでは、収入が11兆1289億円で、内訳は保険料9兆8596億円、国庫補助1兆2456億円。支出が10兆8400億円で、保険給付費6兆6838億円、前期高齢者納付金1兆5573億円、後期高齢者支援金2兆1492億円などとなっている。経常収支は2889億円の黒字を見込み、単年度の収支が均衡する保険料率は9.70%だが、高齢化による将来の支出増に備える観点から、健康保険料率は10%を維持する。準備金残高は2年度より3千億円増の4兆2018億円と予測している。

都道府県支部別の健康保険料率をみると、全国平均の10%を超えたのは23支部で2年度の24支部から1支部減った。反対に10%以下は24支部で2年度から1支部増えた。佐賀(10.68%)、北海道(10.45%)、鹿児島(10.36%)、大分(10.30%)、大阪・徳島・熊本(10.29%)などが高く、新潟(9.50%)、富山(9.59%)、福島(9.64%)、群馬(9.66%)、長野(9.71%)などが低く、「西高東低」の傾向が見られる。支部間の最高と最低の料率の差は1.18と、2年度(1.15)に比べ差が広がった。

2年度との比較では、料率引き上げを行った支部が20支部、引き下げを行った支部が26支部、維持が1支部となっている。このうち引き上げ幅の大きい支部は、愛媛(0.15)、大分(0.13)、鹿児島(0.11)、石川・兵庫(0.10)。引き下げ幅の大きい支部は、奈良(▲0.14)、高知(▲0.13)、島根(▲0.12)、群馬(▲0.11)、福岡(▲0.10)など。

今回の都道府県支部別の健康保険料率決定に際しては、「料率の引き上げは、加入者及び事業主の納得が得られにくいため、保険料率を据え置く等の緊急的措置が必要」(北海道)、「コロナ禍の中、企業経営が苦しいうえ、従業員の経済状況も悪いことから、準備金の取り崩しで保険料率を下げてほしいとの意見も根強い」(石川)、「保険料率は最高支部と最低支部の差が1.18と過去最大に拡大した。この格差には、地域の医療供給体制など、支部の努力で埋められない要因が含まれ、より大きな負担を強いられる事業主や加入者の納得を得ることは困難」(兵庫)─などの意見があげられている。

またこの日の運営委員会では、3年度の船員保険の保険料率についても承認され、疾病保険料率は2年度と同率の10.10%、介護保険料率は前年度比0.15増の1.92%となった。

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