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健保ニュース 2021年1月中旬号

オンライン資格確認
J-LIS手数料 保険者負担は発生せず

厚生労働省は令和2年12月23日の医療保険部会で、医療機関・薬局でのオンライン資格確認システムの直近の導入準備状況を報告した。

このなかで、保険局の山下護医療介護連携政策課長は、マイナンバーカードのオンライン資格確認で発生する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)による電子証明書の有効性確認のための手数料について、総務省など政府内で調整した結果、デジタル関連経費を一括計上している政府の情報システム関係予算にJ-LISへの手数料相当の補助金も計上され、「保険者が負担しないこととなった」と述べた。

J-LISの手数料はマイナンバーカードの医療機関等での利用ごと1件2円の費用が発生すると見込まれており、医療保険者の代表委員は、これまでの同部会の議論で、保険者に手数料負担を求めないよう厚労省に訴えていた。

政府は、マイナンバーカードの全国的な普及に向けて保険者に対し被保険者のカードの取得促進の働きかけに協力を求めている。手数料負担を保険者に課すとカード取得促進の取り組みに消極的になることも想定されるが、山下課長は、今回、保険者負担が回避されることを受け、「マイナンバーカードを使っていくことについての保険者のつかえがとれたと思っている」と述べ、一層の協力を求めた。

マイナンバーカードの普及に向けては、政府のデジタル・ガバメント閣僚会議の方針(令和元年6月決定)で、「マイナンバーカードの健康保険証利用に伴う運営費については、可能な限り縮減に取り組むこととし、J-LISの手数料のあり方についても検討する」とされている。

医療機関・薬局申し込み
カードリーダー19.5%

この日の同部会に報告されたオンライン資格確認システムの導入準備状況は、資格確認に必要な顔認証付きカードリーダーの申し込みをした医療機関・薬局は、12月13日時点で4万4466施設と全体の19.5%となっている。内訳は、病院26.4%、医科診療所12.9%、歯科診療所15.7%、薬局32.8%。

厚労省は、オンラインシステムが稼働する令和3年3月時点で医療機関等の6割程度が導入し、5年3月末に概ね全医療機関等での導入をめざしている。マイナンバーカードの保険証利用の申し込みの状況は、全国のマイナンバーカードの交付枚数の6.4%(192万6156件)にとどまる。

佐野副会長
現状の進捗を憂慮「労多く得るものなし」
実施時期の変更も

健保連の佐野雅宏副会長は、オンライン資格確認の導入準備が進んでいないと指摘したうえで、「ICT関連施策は、関係する当事者が多く、すべての当事者の準備が整わないと効果が発揮されない」と憤慨し、「導入準備の進捗管理の責任をどこが負うのか明確にして、実施に向けた強制力を伴う権限を持たせることが重要だ。状況によっては、実施時期の変更も考えざるを得ない」と述べた。

現状の進捗について、「中途半端な導入状況で制度をスタートしても効果が出ないうえに、無駄なコスト負担、煩雑な事務負担が生じるだけで、労多くして得るものなしとなる」と危惧したうえで、医療保険部会の場でオンライン資格確認の進捗状況を管理することが適しているのかも含めて検討するよう要請した。

費用負担のあり方では、「仮に制度がスタートしても、一定以上の実施状況に至るまでの間は、導入準備期間の位置づけとしての負担方法を考えるべきだ。運営主体・受益者負担という従来の考え方だけでは到底理解が得られない」とし、この点についての本質的な検討を求めた。

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