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健保ニュース 2020年10月中旬号

佐野副会長が取り組み状況を報告
コラボヘルスの重要性を強調
メタボや重症化リスクを低減

健保連の佐野雅宏副会長は、日本健康会議の「健康なまち・職場づくり宣言2020」を踏まえた健保組合の取り組み状況を報告した。

佐野副会長は、「健康なまち・職場づくり宣言2020」の「健保組合等保険者と連携して健康経営に取り組む企業を500社以上」とする宣言に対し、令和2年度は大規模法人部門が1476法人(前年度比182%増)、中小規模法人部門が4815法人(同193%増)の達成状況で、「宣言から5年経っても伸びは加速しており、取り組みが根付いてきた」と評価。

そのうえで、「コラボヘルスは、保険者と企業の連携が鍵となる」との認識を示し、事業主との連携の有無による生活習慣病リスク対策の効果を例示した。

健康課題の共有や就業時間内の事業参加への体制整備、受診勧奨の連携などの「コラボヘルス」を実施する健保組合では、生活習慣病リスク対策として、特定保健指導のほか、重症化予防、喫煙対策、ポピュレーションアプローチなどのプラスα事業を実施し、メタボリックシンドローム該当者や重症化リスク保有者が減少する効果が現れているとした。

特定保健指導の目標達成度をみると、特定保健指導のみ実施の健保組合が80.6%に対し、特定保健指導プラスα事業を実施の健保組合は96.2%で、プラスα事業を実施する組合の方が達成度は高いことを報告。

また、平成25~30年度におけるメタボ該当率の差を比較すると、全体平均の1%増に対し、「コラボヘルスなし」は1.3%増に伸びる反面、「コラボヘルスあり」は0.9%増に収まることから、「事業主との連携がメタボ抑制の大きな要素になっていると言える」と強調した。

さらに、健保組合と事業主が課題を共有し会議体を設置する「連携小」、就業時間内の保健事業への参加許可体制を整備する「連携中」、「連携小・中」に加え保健事業を共同実施する「連携大」のように、事業主との連携度合いによる生活習慣病リスク対策の効果を説明。

メタボ該当者の割合は、25年度の「連携小16.0%」、「連携中14.6%」、「連携大13.1%」に対し、30年度は「連携小17.5%」、「連携中15.4%」、「連携大14.0%」で、連携度が濃いほど割合は低く、「連携小」と「連携大」の差は25年度の2.9ポイントから30年度の3.5ポイントに拡大しているとした。

合わせて、重症化リスク保有者の割合は、25年度が、▽連携小9.8%▽連携中8.7%▽連携大8.0%─、30年度が、▽連携小9.3%▽連携中8.8%▽連携大8.1%─で、連携度が濃いほど割合も低くなっていると指摘し、コラボヘルスにおける連携の重要性を訴えた。

これらの分析は、健保組合が他の保険者に先駆けて導入したデータヘルス・ポータルサイトに収録されているデータを活用したもので、将来的には、保険者の枠を超えた比較検証が行えるとの考えを示した。

このほか、佐野副会長は、「保険者からの推薦等一定の基準を満たすヘルスケア事業者を100社以上」とする宣言の関連事項として、60社以上の事業者が出展予定の「データヘルス・予防サービス見本市2020」が12月に大阪で開催される予定であることを紹介した。

健保連としても、こういったイベントを活用し、保険者と事業者の連携・協働を一層推進するよう尽力するとした。

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