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健保ニュース 2020年9月下旬号

診療報酬施設基準の届出状況
機能強化加算 診療所8%増、病院10%増
施設基準の関連報酬も増加

厚生労働省は16日、令和元年7月1日時点における医療機関と薬局の主な施設基準の届出状況をまとめ、中医協総会に報告した。平成30年度の診療報酬改定で新設された機能強化加算をはじめ、同加算の施設基準に関連する診療報酬を届け出る医療機関が概ね増加していた。

初診患者に対するかかりつけ医機能を評価する機能強化加算を届け出た医療機関は、診療所が前年比7.9%増の1万2719施設、病院が同9.6%増の1149施設へと大きく上昇した。

地域包括診療加算を届け出た診療所は同4.0%増の5747施設、地域包括診療料は診療所が同6.0%増の231施設、病院が同増減なしの46施設だった。小児かかりつけ診療料は診療所が同7.0%増の1529施設、病院が1施設(初の届け出)。在宅時医学総合管理料と施設入居時等医学管理料は診療所が1.1%増の2万2300施設、病院が6.1%増の2109施設だった。機能強化加算の施設基準とされるこれらの診療報酬項目を届け出る医療機関は、概ね増加している。

30年度に新設したオンライン診療料を届け出た医療機関は診療所が35.1%増の1223施設、病院が27.7%増の83施設で、前年から大きく伸びたが、医療機関数全体の割合から見ると小さい。

一般病棟入院基本料は、前年比2.1%減の59万2340床、療養病棟入院基本料は同2.2%減の21万5480床に対し、回復期リハビリテーション病棟入院料は同2.8%増の8万7254床、地域包括ケア病棟入院料・医療管理料は同11.2%増の8万505床に拡大している。

十分な院内感染防止対策を講じている等、歯科初診料の注1に掲げる施設基準を届け出ている診療所は6万5200施設で、前年の2万2833施設から3倍近く増えた。

28年度に新設した、かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は前年比1.1%増の3万1310薬局で、前年からヨコバイの状況となっている。

初診時の特別料金徴収
200床以上病院は17%増

厚労省は、主な選定療養にかかる報告状況も示した。
 入院時に差額ベッド代を徴収する病床数は前年比0.3%減の26万6755床で、報告した医療機関が保有する総病床数の20.5%を占める。

1日当たり徴収額は全体平均が6354円で、前年を96円上回った。1人室8018円、2人室3044円、3人室2812円、4人室2562円となり、1人室と4人室は徴収額が上昇した。最高額は37万8000円、最低額は50円で、前年と同額だった。

初診時に特別料金を徴収する病院数は17.3%増えた。特に、4860円超~5400円を徴収する病院が、前年の354病院から509病院へと大きく増加。平均が3496円、最高が1万800円、最低が10円だった。

一般病床200床以上の病院は、緊急その他やむを得ない事情がある場合を除き、選定療養として特別料金を徴収することができることとされている。

平成28年度の診療報酬改定では、紹介状なく特定機能病院・一般病床500床以上の地域医療支援病院を受診した場合、初診時に5000円(再診は2500円)を負担する仕組みを導入。30年度改定では、対象病院を「特定機能病院および許可病床400床以上の地域医療支援病院」に拡大した。

再診時に特別料金を徴収する病院数は同38.5%増加し、徴収額は平均2371円、最高8640円、最低210円だった。

予約料を徴収する医療機関は同2%減少し、平均2338円、最高5万4000円、最低20円。時間外診療を求めた医療機関は同5.6%増加し、平均2851円、最高1万800円、最低150円となる。

このほか、入院期間が180日を超えた場合に特別料金を徴収した医療機関は同7.2%減で、年々低下傾向にある。平均1912円、最高5490円、最低500円だった。

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