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健保ニュース 2020年7月上旬号

介護分科会が制度の安定・持続性を議論
河本常務理事 メリハリのある評価が不可欠
現役世代の人口減や負担増に懸念

社会保障審議会・介護給付費分科会(分科会長・田中滋埼玉県立大学理事長)は6月25日、令和3年度の次期介護報酬改定における論点に位置づけた制度の安定性・持続可能性の確保や介護人材の確保、自立支援・重度化防止の推進等をテーマに議論した。

健保連の河本滋史常務理事は、介護給付費は医療費の伸びを上回るスピードで増加することが見込まれる一方、制度の支え手である現役世代の減少に加え、今回の新型コロナウイルス感染症拡大による経済状況の悪化で現役世代の報酬減少も懸念されるなか、制度の安定性・持続可能性を確保するためには、介護報酬の面でもこれ以上、現役世代の負担が増大することがないよう、メリハリをつけた評価が不可欠であると主張した。

介護給付費は、65歳以上の高齢者数や介護サービス利用者の大幅な増加により、2000年度の3.2兆円から2020年度では11.5兆円と約3.6倍増加した。これに伴い、被保険者1人当たり保険料(月額)も、制度当初の3000円弱から2020年度には6000円強と倍以上に引き上げられている。

65歳以上の高齢者数は2025年には3677万人、42年には3935万人とピークを迎え、今後も介護費用の増加や保険料水準の上昇が見込まれており、制度の安定性・持続可能性の確保や自立支援・重度化防止の推進は重要な課題となっている。

この日の会合で、河本常務理事は、自立支援・重度化防止の推進について、「現行の制度では、要介護度が改善すると介護報酬が下がるため、自立支援を行っても経営的メリットがないのが実情だ」と指摘し、「利用者の状態改善につながるアウトカム評価については、インセンティブとして高い評価を受けられるようなメリハリの効いた報酬体系にしていくべき」との考えを示した。また、そうした評価の財源は、「自立支援や重症化予防につながるサービスを実施していない事業所への減算で賄い、財政中立で行われるべき」と述べた。

また、介護人材の確保等については、「介護職員の処遇改善に向け、これまでもかなり思い切った加算措置が講じられてきた」との考えを示したうえで、「この効果検証を行い、加算のあり方を議論できるようにすべきである」と述べた。

安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は、自立支援・重度化防止を推進するにあたり、「取り組み状況の検証・改善を行うなど、PDCAサイクルを着実に回しながら、実施することが重要だ」と述べるとともに、蓄積した介護データを活用して介護サービスの質を評価し、その結果を介護報酬に反映するアウトカム評価にもとづく報酬体系に見直すよう求めた。

井上隆委員(日本経済団体連合会常務理事)は、制度の安定性・持続可能性の確保に向け、「限られた資源のなかで重点化・適正化を重視するとともに、利用者の意見と同時に、負担者の納得を得られる努力もお願いしたい」と発言。自立支援・重症化予防の推進については、「介護データを収集・分析し、エビデンスベースで科学的評価を行うことが重要」との考えを示した。

また、厚生労働省は、この日の会合で、3年度改定に向けた検討の一環として、30程度の関係団体に対しヒアリングを実施することを提案し、同分科会はこれを了承した。

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