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健保ニュース 2020年6月上旬号

令和2年度の後期支援金等決定状況
健保組合は3.9%増、4.5兆円
介護納付金は全面総報酬割

社会保険診療報酬支払基金は5月13日、医療保険者に対する令和2年度の①後期高齢者支援金②前期高齢者納付金③退職者医療療養給付費等拠出金④介護給付費・地域支援事業支援納付金─の徴収額決定状況を公表した。それぞれ2年度概算額に平成30年度精算額等が反映されて各保険者に賦課される。

健保組合が2年度に納付する後期支援金等合計額は4兆5255億円で、前年度に比べ3.9%増加した。高齢化などに伴う後期高齢者支援金・前期高齢者納付金の増加や、総報酬割の拡大(4分の3総報酬割→全面総報酬割)による介護納付金の増加を見込む一方、退職者給付拠出金は大幅減となった。

①後期高齢者支援金の決定額は合計6兆5126億円(概算額6兆8369億円、精算額等▲3243億円)で、前年度に比べ0.7%増加した。

後期支援金の賦課方式は、後期高齢者の医療給付費の見込み額から後期高齢者の保険料、公費を除いた支援金総額の費用を国保と被用者保険の加入者数に応じてそれぞれの持ち分を算出したうえで、被用者保険はその全額を総報酬で案分する。

保険者別の後期支援金決定額は、▽健保組合2兆18億円(概算額2兆338億円、精算額等▲320億円)、前年度比1.4%増▽協会けんぽ2兆1318億円(概算額2兆2038億円、精算額等▲720億円)、同1.5%増▽船員保険71億円(概算額74億円、精算額等▲3億円)、同0.7%増▽共済組合6427億円(概算額6641億円、精算額等▲214億円)、同2.1%増▽都道府県国保1兆5588億円(概算額1兆7505億円、精算額▲1918億円)、同1.9%減▽国保組合1704億円(概算額1772億円、精算額等▲68億円)、同1.1%増─で都道府県国保を除き増加し、健保組合は2兆円を突破した。

②前期高齢者納付金の合計額は3兆6195億円(概算額3兆6108億円、精算額等87億円)で、前年度に比べ3.6%増加した。

前期納付金・交付金の仕組みは、保険者間の65~74歳の前期高齢者加入率の差に着目して財政調整するもので、実態として前期高齢者を多く抱える国保を被用者保険が財政支援する構造となっている。

2年度の前期高齢者の加入者数は1680万5398人(前年度比8342人増)、全国平均加入率は15.5%(同0.2ポイント増)と見込んだ。健保組合は、前期高齢者数95万5566人、総加入者数2848万8770人、前期高齢者加入率3.4%で、全国平均との差相当分を納付金として負担する。

一方、都道府県国保は、前期高齢者数1202万4104人、総加入者数2779万8673人、前期高齢者加入率43.3%で、全国平均との差相当分を交付金として受け入れる。2年度における都道府県国保への前期交付金決定額は、3兆6250億円(同3.6%増)となった。

保険者別の前期納付金決定額は、▽健保組合1兆5358億円(概算額1兆5230億円、精算額等129億円)、前年度比5.7%増▽協会けんぽ1兆5300億円(概算額1兆5093億円、精算額等208億円)、同0.4%増▽船員保険28億円(概算額32億円、精算額等▲3億円)、同0.7%減▽共済組合4891億円(概算額5119億円、精算額等▲228億円)、同9.0%増▽都道府県国保27億円(概算額53億円、精算額等▲26億円)、同57.0%減▽国保組合590億円(概算額582億円、精算額等8億円)、同3.4%増─となった。

③退職者医療療養給付費等拠出金の合計額は4億円(概算額0億円、精算等4億円)で、前年度に比べ75.4%減少した。前期高齢者への移行が進むとともに、退職被保険者の新規適用がないことから、同拠出金の大幅な減少が続いている。

④介護給付費・地域支援事業支援納付金の合計額は3兆80億円(概算額3兆2139億円、精算額等▲2059億円)で、同2.7%増加した。

健保組合の介護納付金は9875億円(概算額1兆240億円、精算額等▲365億円)で、同6.8%増となった。

被用者保険間の介護納付金の負担方式は、平成29年8月から2分の1総報酬割が導入され、30年度はこれの通年化、令和元年度の4分の3総報酬割を経て、2年度から全面総報酬割となった。



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