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健保ニュース 2020年4月中旬号

2年度の全総協予算集計概要
経常赤字が前年度比1.6倍
法定給付費と拠出金が上昇

全国総合健康保険組合協議会(会長・高井昌史出版健保組合理事長)は、新型コロナウイルス感染症対策として定例総会を中止し、会員243組合の令和2年度予算集計(速報値)について3月17日付の郵送で報告した。令和2年度の経常収支差引額は852億9152万円の赤字で、赤字額が前年度から約1.6倍に膨らんだ。赤字予算は16年連続となる。保険料収入の伸びを上回る法定給付費と拠出金の伸びが影響した。

赤字組合数は187組合で前年度から20組合増え会員全体の7割を超えるなど、厳しい財政状況が浮き彫りとなった。

一般保険料率と調整保険料率を合わせた保険料率の平均は97.75‰で、前年度を0.03ポイント上回った。

協会けんぽの全国平均保険料率100‰以上の保険料率を設定する組合は前年度と同じく93組合で、全体の約4割を占める。このうち、100‰の料率を設定しているのが前年度比1組合減の40組合、100‰超105‰未満が同1組合増の32組合、105‰以上110‰未満の20組合と110‰以上の1組合は変化がなかった。最高保険料率は111.16‰で、前年度より0.02ポイント高くなった。

適用状況をみると、被保険者数は645万5574人で前年度比で1.8%増加した。平均標準報酬月額は同0.7%増の35万4419円、平均標準賞与額は同0.7%増の79万1679円と、それぞれ前年度を上回った。

被扶養者は416万979人で前年度から1.3%減少し、扶養率は同0.02ポイント減の0.64人となった。

経常収入総額は、同2.5%増の3兆13億5734万円で、被保険者数や平均月額・賞与額の増加を反映して増収となった。収入の大半を占める保険料収入は、同2.5%増の2兆9803億4703万円だった。

これに対して経常支出総額は、保険給付費や拠出金の伸びなどにより、同3.4%増の3兆866億4886万円と見込んだ。

保険給付費のうち法定給付費は、被保険者数の増加などを反映し、同3.9%増の1兆5587億7327万円と増加した。1人当たりの法定給付費は同2.1%増の24万1462円となっている。

前期高齢者納付金や後期高齢者支援金など拠出金総額は、同2.7%増の1兆2897億210万円となった。とくに前期納付金が同4.4%増の5902億8061万円と大きな伸びを示し、後期支援金も同1.4%増の6993億4040万円と前年度を上回った。義務的経費に占める拠出金負担割合は45.3%だった。

新型コロナ感染拡大で状況はさらに悪化
全総協・浅野専務理事

今回の令和2年度予算集計結果を発表するにあたり、全国総合健康保険組合協議会の浅野廉敏専務理事は、本誌に以下のコメントを寄せた。

「2022年危機」を控え令和2年度の予算編成は、このところ高齢者医療への拠出金が高止まり傾向にあったこと等から、一定程度小康状態が続くものと予想していた。しかし蓋を開けてみると法定給付費が3.92%(1人当たりでは2.06%)と増え、納付金も2.70%(同0.86%)の伸びを示し、特に前期納付金は精算分の増額もあり4.36%(同2.50%) も大きく伸びたこと等から、総合健保組合全体として約8割が赤字予算、経常収支差引額も対前年度比で300億円赤字幅が拡大し、850億円を超える厳しい予算編成となり、今後の事業運営に強い危機感を抱いている。

その危機感に更に拍車をかけているのが、このところの新型コロナウイルス感染症拡大による急激な景気悪化だ。2年度予算で見込んだ標準報酬月額・賞与額の激減、保険料滞納の急増、納付猶予の多発など、組合財政に致命的な影響を与えるのではないかと懸念が高まりつつある。

これはまさに「2020年危機」の到来であり、これまでの取り組みが虚しくなるほど状況はさらに悪化すると見込まれ、国に対しては強力な支援策を切望するところだ。

令和2年度 予算概要(速報値)

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