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健保ニュース 2020年3月上旬号

健保連調査
療養費に関する健保組合アンケート
柔整の償還払い可能なら約半数が選択
保険者裁量の早期実施に期待多数

健保連はこのほど、健保組合の療養費に関するアンケート調査の結果を取りまとめた。柔道整復療養費について、受領委任制度において明細書の交付を義務化するなど、不正対策の強化を求める声が大きいとともに、保険者の裁量により支払い方法の選択が認められた場合、半数近くの健保組合は、償還払いを選択する方針であることが分かった。このうち6割は社会保障審議会医療保険部会の療養費検討専門委員会で検討されている受領委任規程への不正対策を待たず、償還払いへの移行を希望し、償還払いが受領委任払いより保険者機能を発揮できると考える健保組合が多かった。

調査は昨年9月に実施し、1320健保組合が回答した。
 柔整療養費に関しては、受領委任制度の不正対策について、患者が施術・請求内容を確認する仕組みとして最も有効と思うものをたずねたところ、施術所の明細書交付の義務化が37%、施術内容(部位)等を記載した領収証の発行が21%で、約半数の組合が患者へ施術内容のわかる領収証や明細書の交付の義務化が必要だと考えていた。療養費の算定基準や受領委任規程で明確化してほしいことは、違法看板を設置している施術所の受領委任中止が61%にのぼり、1部位目からの負傷原因の記載が54%、医科併給の基準の明確化が51%だった。制度全般にわたる要望は、地方厚生局の指導監査の透明化が61%、違法看板に対する保健所の指導監査が52%で、行政による取り締まりの強化に期待する回答が多かった。

一方、保険者裁量で支払い方法を選択できるようになった場合、45%が償還払いを採用すると回答し、このうち57%は療養費検討専門委員会で検討中の不正対策が実施されるよりも前に償還払いに移行したい考えを示した。償還払いのメリットについては、「領収証で施術の事実を確認できる」が74%、「全ての申請に対し支給要件を確認・審査の上、支給決定が可能」が62%などとなった。これらのことから、適正化のためにはどのような支払い方法であっても、健康保険法施行規則第66条の原則に則り患者が施術管理者から領収証の交付を受け、保険者が審査のため確認を必要とした場合には、申請書の内容が明確となる領収証や明細書の提示が行われることが重要と考えていることが示唆された。また、受領委任払いを継続する健保組合のうち、約9割が事務処理のマンパワー不足を懸念していた。

あはき療養費償還払い
健保組合の8割が選択

あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費については、昨年1月から受領委任制度が導入され、保険者裁量による支払い方法の選択が可能となったが、健保組合の80%は償還払いを選択した。不正対策として強く要望することを複数回答で質問した結果、「療養費における施術内容と自費施術内容(保険適用外)の明確化」や「医師同意書へ施術報告書の確認欄を設けること」を望む声が強かった。

治療用装具療養費に関しては、審査関連業務の状況などを調査した。厚生労働省は平成30年度から靴型装具の支給申請に現物写真の添付を原則としたが、24%の健保組合は全ての装具について写真の添付を求めており、靴型装具のみ現物写真の添付を求めている健保組合に比べて、不適切な請求事例が多く判明した。不正対策の要望は「既製品装具の支給基準の明確化」が64%で最も多く、次に「治療材料と治療用装具の明確化」「地方厚生局による医療機関への指導・監査の実施率の向上」「医師の作成指示書の定型化」が50%弱で並んだ。

このほか、施術所の広告について意見を聞いた結果、柔道整復師の施術所について「整骨院」の名称を使用することに63%が反対し、あはき師の施術所に「治療院」という表記を使用することは85%が認めないと回答した。

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