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健保ニュース 2020年2月下旬号

健康診査等指針の改正を告示
プログラムの要件や評価の規定を整備
委託先から結果の直接開示も可能

厚生労働省は12日、「健康増進事業実施者に対する健康診査の実施等に関する指針」の一部改正を告示した。厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会の専門委員会が昨夏に取りまとめた報告書を踏まえ、健康診査が満たすべき要件や、情報の継続に関する規定を盛り込み、即日適用した。

同指針は、健康増進法にもとづいて平成16年に定められた。健康増進事業実施者には市町村、保険者、企業、学校などが該当し、事業としては乳幼児健診、特定健診、事業主健診、学校健診などが対象となる。

改正は19年10月以来の約12年半ぶり。今回は、まず基本的な考え方として、健康診査が「健診」と「検診」に分けられることを明確化した。健診は「健康づくりの観点から経時的に値を把握することが望ましい検査群」で、値に異常がなくても行動変容につなげるねらいがあるのに対し、検診は「主に特定の疾患自体を確認するための検査群」で、異常がなければ経過観察を行うことが多いとした。

高齢者医療確保法で20年4月から保険者に特定健診が義務づけられたほか、匿名加工した医療情報を研究開発に活用する仕組みを定めた次世代医療基盤法が30年5月から施行されていることも、基本的な考え方のなかに追記した。

健康診査が満たすべき要件については、対象とする健康事象が公衆衛生上重要な課題で、検査に適切な基準値が設定されており、保健指導などの事後措置の対象者を科学的根拠にもとづいて選定することなどを設定した。健診・検診プログラムに関しては、身体的・精神的な利益が不利益を上回り、適切な運営体制で費用が社会的に妥当であることなどを要件にあげた。

健康増進事業実施者に対しては、健診・検診プログラム全体にわたり、仕組みと実施体制の「ストラクチャー」、目的達成に向けた過程の「プロセス」、事業結果の「アウトプット」、達成状況の「アウトカム」に分類して評価することを求める。

情報の取り扱いについては、生涯を通じた継続的な自己健康管理の観点から、健康増進事業実施者は原則として、別途定められる標準的な電磁的記録形式で結果を提供するように努めることとした。本人が情報をできる限り長期間参照できるようにすることも推奨した。事業を委託する場合には、本人の請求があれば委託先の健康診査実施機関から結果を直接開示できるよう、委託契約に明記するなどの工夫に努めることとした。

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