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健保ニュース 2020年1月下旬号

地域医療構想で公立・公的病院対応方針
厚労省が再検証を正式要請
対象を精査し440施設程度に増加

厚生労働省は地域医療構想の実現に向け、17日付で医政局長通知「公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等について」を都道府県に発出した。すでに各構想区域の調整会議で合意された公立・公的医療機関の再編・統合に関する計画の一部について、改めて検討することを正式に要請するもので、対象は全国で440病院程度の見込み。

地域医療構想は、現状のままだと将来的に総じて過剰になる急性期病床などを、地域の医療ニーズに見合うように整理することが課題のひとつだが、進捗が遅い。今回の通知によって再編・統合の議論が活性化することが期待できる。

公立・公的医療機関をめぐっては、一昨年の骨太方針で民間医療機関が担えない高度急性期・急性期医療、不採算部門、過疎地などの医療に重点化することが求められ、各医療機関が自ら再編計画を作成し、調整会議で具体的対応方針を合意する取り組みが進められた。

しかし、現状追認の内容が多いなどの指摘もあり、昨年の骨太方針で診療実績データの分析が必要とされた。

そのため厚労省は、医療計画検討会の「地域医療構想に関するワーキンググループ」の意見を踏まえて一定の条件を置き、全公立・公的医療機関の診療実績データから、民間で代替できない機能に重点化されているのか分析した。

昨年9月時点では公立・公的424医療機関について、具体的対応方針の再検証が必要との暫定結果が公表されたが、その後に精査したところ、7医療機関が再検証の対象から外れ、新たに20病院程度が追加で対象になった。

厚労省の分析結果に対しては、当初から地方団体や医療機関から地域医療の混乱を不安視する声が相次いだ。そのため通知は、「(厚労省の)分析結果をもって、公立・公的医療機関等の将来担うべき役割や、それに必要な病床数や病床の機能分化・連携等の方向性を機械的に決めるものではない」と断ったうえで、「調整会議において、当該分析だけでは判断し得ない地域の実情に関する知見を補いながら、議論を尽くされたい」とした。

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