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健保ニュース 2019年12月中旬号

自民党が年金改革等へ提言
適用拡大は24年10月に50人超
財政影響大きい健保組合を支援

自民党・社会保障制度調査会(鴨下一郎会長)の合同会議は5日、会合を開き、「年金制度改革等に向けた提言」をまとめた。検討課題だった短時間労働者への被用者保険の適用拡大は、現行で従業員501人以上となっている企業規模要件を、今回の改正で50人超規模の企業まで拡大する。具体的なスケジュールは、2022年10月に100人超規模、24年10月に50人超規模と、段階的に適用する。勤務期間要件は「1年超」から「2か月超」に見直す。健康保険についても一体的に適用拡大するが、財政影響が大きい健保組合に配慮し、「必要な支援を行うべき」との文言が明記された。今後、全世代型社会保障改革の検討を進めている同党の人生100年時代戦略本部に提言を申し入れる。適用拡大を含む年金制度等改正法案は、来年の通常国会に提出される見通しだ。

自民党では、今年8月に厚生労働省が公表した公的年金の財政見通しを示す令和元年財政検証結果を踏まえ、年金制度の今後の方向性について議論を進め、今回、同党・社会保障制度調査会の年金委員会(宮沢洋一委員長)と医療委員会(福岡資麿委員長)の合同会議で提言を取りまとめた。

近年、高齢化や生産年齢人口の減少、高齢者・女性の就業率の上昇、平均寿命の延伸など就労の環境が変化している。提言では、こうした状況を踏まえ、公的年金制度においても、個々人の事情に応じ、より長く働くことや受給の仕方の選択幅を広げるなどして、高齢期の経済基盤の充実を図るため、▽多様な就労を年金制度に反映する被用者保険の適用拡大▽在職老齢年金制度の見直し、年金受給開始時期の選択肢の拡大─を柱とした改革を行うべきとした。

短時間労働者への被用者保険の適用拡大は、2016(平成28)年10月から実施された。そもそもは老後の無年金・低年金を防ぐ観点から、厚生年金の受給者を増やすことを目的とするものだったが、適用要件が同じ健康保険も連動する形で導入された。

現行の適用要件は、①従業員501人以上②週労働時間20時間以上③月額賃金8.8万円以上(年収約106万円以上)④勤務期間1年以上見込み─となっており、17年4月からは②~④を前提に500人以下の企業も労使合意にもとづき被用者保険を適用できるようにした。また、現行法では、19年9月までにさらなる適用拡大について検討を加え、その結果にもとづき、必要な措置を実施することが明記されている。

提言は、被用者保険の適用拡大について、「現行の企業規模要件は、本来全ての被用者に被用者保険が適用されるように見直されるべきものである」との認識を示す一方、事業主側の社会保険料の負担を増加させ、これを一気に進めることは、企業の存立そのものに影響を与えると判断した。

そのため、企業規模要件については、中小企業に配慮し、企業における将来の適用への準備を促しつつ対応するために、今回の改正では、50人超規模の企業まで適用する方針を打ち出した。

具体的なスケジュールは、2024年10月に50人超規模の企業まで適用することとし、その施行までの間にも、できるだけ多くの労働者の保障を充実させるため、2022年10月に100人超規模の企業まで適用する。

厚生労働省の試算では、今回の改正で新たに適用される人数は、「50人超」で65万人、「100人超」で45万人になると見込んでいる。
 あわせて、50人以下の企業についても、今回の改正が与える影響に配慮しつつ、引き続き検討を進めることとした。

勤務期間要件
「2か月以上」に見直し

短時間労働者の適用要件のうち、労働時間と賃金は現状維持とするが、勤務期間要件の「1年以上」については、現状の実務上の取り扱いも踏まえ撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の「2か月以上」に見直すことを求めた。

また、厚生年金保険と健康保険との関連については、被用者保険として一体適用が原則となっており、これまでの短時間労働者に対する適用拡大と同様、被用者にふさわしい保障の確保や働き方、雇用に中立で公平な制度の構築といった医療保険における適用拡大の意義を踏まえ、健康保険についても一体として適用拡大する方針を示した。

ただし、財政が厳しく適用拡大の影響が大きい健保組合に配慮し、「必要な支援を行うべきである」との文言を盛り込んだ。

このほか、年金受給開始時期については、現行制度でも60~70歳の間で選択できるが、今後のさらなる高齢期の就労の進展を踏まえ、高齢者が自身の就労状況等に合わせて年金の受給方法を、現行よりもさらに柔軟に選択できるよう、その選択肢を増やす観点から、上限年齢を「75歳」に引き上げるべきと提言した。

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