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健保ニュース 2019年11月中旬号

被用者保険関係5団体が医療保険改革の意見書
後期2割負担、拠出金軽減など要望
給付と負担の見直し 政府方針に盛り込み実行を

健保連、全国健康保険協会、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本労働組合総連合会の被用者保険関係5団体は8日、医療保険制度改革に向けた共同の意見書を加藤勝信厚労相あてに提出した。団塊の世代が後期高齢者に入り始める2022年から医療費が急増することで、既に限界に達している現役世代や企業の保険料負担が一層過重になると危機感を示し、給付と負担の見直しを含む制度改革を確実に実行することを要望した。具体的には、後期高齢者の窓口負担を原則2割とすることや、拠出金負担の軽減、医療費の適正化など5項目を掲げ、これらの項目を政府の全世代型社会保障検討会議の取りまとめや来年の「骨太方針2020」に反映させることを求めた。意見書を提出後、5団体の代表者が記者会見し、健保連の佐野雅宏副会長は、現役世代に負担が偏っている現状の世代間における給付と負担のアンバランスを解消することが急務と強調し、「全世代型社会保障検討会議で可能な限り早い段階で検討し、方向性を出してほしい」と述べた。

健保連から佐野副会長、全国健康保険協会の安藤伸樹理事長、経団連の井上隆常務理事、日商の藤井隆太社会保障専門委員会委員、連合の石上千博副事務局長が厚労省を訪ね、横幕章人大臣官房審議官(医療保険担当)に意見書を手渡した。意見書は、①後期高齢者の窓口負担②拠出金負担の軽減③保険者機能の強化④医療費の適正化等⑤社会保障の持続性確保─を柱としている。

後期高齢者の窓口負担については、現役世代に偏った負担を是正する観点から、高齢者にも応分の負担を求める必要性を指摘し、70~74歳の高齢者が2割であることを踏まえ、後期高齢者も早急に原則2割とする方向で見直すべきと主張した。

拠出金負担の軽減については、公費負担の拡充などによって現役世代の負担を軽減し、保険者の健全な運営に資する措置を講じるべきと主張。現役並み所得の後期高齢者の医療給付費にも公費5割を投入することを強調するとともに、現役並み所得者の範囲を拡大する場合は、「少なくとも拠出負担増が生じないよう財政支援等の負担軽減措置が必要である」とした。

拠出金負担増を要因に解散を検討する健保組合が増加することを危惧し、「現役世代の負担に過度に依存する制度では、持続可能性を確保できない」と断じ、高齢者医療費の負担構造改革を早急に断行すべきと強調している。

保険者機能の強化では、健康な高齢者が社会保障を支える側となるために、加入者に対する健康増進に重要な役割が求められるとし、個々の保険者の特性を踏まえて保険者機能を発揮できる制度体系の維持、強化を重視した。

医療費の適正化等は、地域医療構想や医療機能の分化・連携などを推進するほか、国民負担の軽減と医療の質の向上に向けて、薬価制度の抜本改革や後発医薬品の使用促進、フォーミュラリ(生活習慣病治療薬の適正な選択)の導入の推進、薬剤処方の適正化、診療報酬の包括化、ICTを活用した医療の適正化・効率化など、保険診療や診療報酬のあり方に踏み込んだ見直しを求めた。

社会保障の持続性確保に向けては、歳入・歳出両面について検討を進める必要性を指摘したうえで、被用者保険の保険料に負担を転嫁する手法に断固反対の姿勢を示した。
被用者保険関係5団体の意見は下記PDF参照

医療保険制度の改革に向けた被用者保険関係5団体の意見(PDF)

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