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健保ニュース 2019年9月上旬号

令和2年度予算概算要求
健保組合助成費は801億円
拠出金軽減助成 例年どおり同額計上

厚生労働省は8月27日、令和2年度予算概算要求をまとめた。健保組合助成費は総額801億4千万円(前年度比3億3千万円減)を計上した。このうち、高齢者医療運営円滑化等補助金の高齢者医療支援金等負担金助成事業は738.8億円で、内訳として、①高齢者医療拠出金の過重な負担を軽減する財政支援720.4億円(指定組合に対する助成7.9億円含む)②保険者機能強化支援事業18.4億円─を盛り込んだ。①の拠出金負担を軽減するための財政支援は、例年と同様、機械的に前年度と同額を計上し、年末の予算編成過程で検討する。

健保組合助成費の2年度概算要求額は、高齢者医療運営円滑化等補助金など一般会計分が798億9千万円、東日本大震災対応の復興特別会計分が2億6千万円で合計801億4千万円。健保組合助成費の減少は、元年度予算に計上したデータ標準レイアウト改版に伴うシステム改修経費2.2億円が2年度に不要となる影響が大きい。

健保組合事務費負担金は、一般、介護分ともに被保険者1人当たり単価を据え置き、元年度予算と同額の26億6千万円を要求。特定健診・保健指導補助金は、実施率の向上を見込んで、5千万円増の28億2千万円を要求した。

高齢者医療制度円滑運営事業費補助金の「保険者が実施する糖尿病性腎症重症化予防事業」は、特定保健指導の対象となっていない人工透析導入前の患者に対し医療機関と連携して保健指導する健保組合に助成する仕組み。同事業を申請する組合が増加傾向にあることを踏まえ、増額要求の6千万円を計上した。

高齢者医療運営円滑化等補助金は、高齢者医療支援金等負担金助成事業が738億8千万円、被用者保険運営円滑化推進事業が4億7千万円で合計743億5千万円(同1億7千万円減)を計上した。

高齢者医療支援金等負担金助成の柱である拠出金軽減措置の財政規模は、消費税増収を財源とする社会保障の充実600億円と従前からの補助金120億円の枠組みを合わせて算出されている。前期高齢者納付金の負担を軽減する補助金であり、今年度から前期納付金が前年度に比べて大幅に伸びるなど、直近の負担増にも対応する新たな助成を追加した。

高齢者医療支援金等負担金助成のうち、保険者機能強化支援事業は、財政状況の厳しい健保組合が実施する保健事業等の拡充に助成するもので、元年度から導入した。39組合が助成対象となっており、今回で2年目となる。対象組合は3年度まで3か年の財政健全化計画を策定し、計画に沿った財政状況の改善が求められる。

被用者保険運営円滑化推進事業のうち、健保組合の保健師共同活動に財政支援する「特定保健指導等支援の共同事業」は前年度並みの4億円を要求し、健保組合分の「レセプト・健診情報等を活用したデータヘルスの推進事業」は終了を考え、予算要求を見送った。

健保組合分データヘルス推進事業は、モデルとなる健保組合の先進的な保健事業を支援するために27年度に導入した。29年度からは中小規模を含む複数健保組合の共同事業に助成しているが、導入から5年が経過し、補助金による後押しを終了させ、これまで蓄積してきた事例を生かした取り組みに期待する。

こうした観点から、健保組合を支援するための健保連分データヘルス推進事業に2千万円増の6600万円を計上し、好事例を健保組合に広めるためのガイドラインの策定などを想定している。

復興特別会計では、東日本大震災に伴う原発事故避難者の受診時一部負担減免に補助する災害臨時特例補助金に2億6千万円を計上した。

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