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健保ニュース 2019年8月合併号

元年度の支援金等負担金助成事業
負担軽減に新基準を追加
前期納付金の急増に対応

厚生労働省は、令和元年度の高齢者医療支援金等負担金助成事業の交付要件を定め、7月26日付で、保険局高齢者医療課長から健保組合理事長に通知した。

同事業は、高齢者医療運営円滑化等補助金の大半を占める主要メニューで、健保組合等の前期高齢者納付金に着目した負担軽減を目的に補助金を交付する。

元年度の同事業については、総報酬に占める前期納付金(所要保険料率)の重さに応じて助成する既存分、前期納付金の伸び率に応じて助成する新規分の2つの柱で構成されていた従前の事業に加え、前期納付金の直近の急増に対応する新基準の負担軽減を設けた。

新規分の助成は平成23年度からの前期納付金の伸び率を指標とするが、新基準は30年度から元年度、または29、30年度の2年平均値から元年度への伸び率を適用し、予見困難な急増分に助成する。

新基準の交付要件は、加入者1人当たり前期納付金について、単年度か2年平均値の伸び率のうち高い方を適用し、伸び率が▽2倍超の部分に80%▽1.5倍超~2倍以下は60%▽1.1倍超~1.5倍以下は40%─の3区分に沿って助成する。

既存分の交付要件は、被保険者1人当たり総報酬が健保組合平均の577万円を下回り、元年度の所要保険料率が組合平均の1.1倍超を助成対象とする。平均所要保険料率は1.67%で、この1.1倍に相当する1.84%超に該当する保険者が対象となる。

対象保険者の所要保険料率に応じて、1.67%の▽1.3倍超の部分に60%▽1.2倍超~1.3倍以下は30%▽1.1倍超~1.2倍以下は15%─と前年度と同様の区分、助成割合としたが、このうち15%助成については、新規分との重複に既存分の財源を一部活用することから、予算の範囲内に助成割合を調整することとし、同日付の別の通知で実質11.4%助成とすることに決めた。

新規分の交付金は、加入者1人当たりの前期納付金について、団塊世代が前期高齢者に移行前の23年度と元年度の納付金を比べ、伸び率が▽2.5倍超の部分に85%▽2倍超~2.5倍以下は65%▽1.5倍超~2倍以下は45%▽1.35倍超~1.5倍以下は25%▽1.2倍超~1.35倍以下は13%─の5区分で助成する。

比較の起点とする23年度の前期納付金は、単年度による負担の偏りを均すため、22、23年度の2年平均とする。

この場合、23年4月1日以降に設立した健保組合は、元年度までの前期納付金の伸び率が設定できないため、元年度の所要保険料率が組合平均の1.67%を超えていることを要件に納付金の0.5%相当額を助成する。0.5%助成の仕組みとは別に、新基準では23年度以降に設立した保険者も助成対象となる。

所要保険料率が全健保組合の下位3%(所要保険料率0.54%以下)に該当する場合は、財政力に照らして拠出金負担が特段重くないとみて、新規助成の対象外とする。

既存分、新規分、新基準を合わせた元年度の同事業の助成額は、前年度と同規模の約719億円で、内訳は既存分が約120億円、新規分は約576億円、新基準が約23億円。社会保障・税一体改革にもとづく予算配分のフレームに沿って、既存分を前年度の約192億円から縮減するが、既存分と新規分が重複する部分を新規分から優先して助成することで、事実上、前年度の財政規模を維持する。

助成方法は、新規分を優先し、既存分、新基準の順で充てる。新規分と既存分が重複する場合は、新規分からの助成を優先したうえで、不足額を既存分から交付する。新基準も同様、重複する場合の不足額を交付する。

同事業の助成対象となる保険者は1008健保組合、57共済組合の合計1065保険者を予定する。このうち、新基準のみで該当するのは79健保組合、2共済組合を見込む。

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