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健保ニュース 2019年6月上旬号

健保組合の29年度レセプトを健保連が調査
呼吸器系が医療費シェアトップ
入院外で家族の受診率が際立つ

健保連が平成29年度の健保組合レセプトを調べたところ、呼吸器系疾患の医療費が医科の15.7%を占めて最も多く、次に新生物の11.2%、循環器系疾患の10.2%が続いた。厚生労働省による保険診療の全国集計だと、呼吸器系の国民医療費は循環器系と新生物に比べて少なく、65歳未満に限っても医科の10%程度にとどまることを踏まえると、健保連の調査からは、花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎や喘息などの呼吸器系疾患が、企業に勤める現役世代や家族で相対的に多いことがうかがえる。

健保連は、全健保組合の約9割に相当する1280健保組合の被保険者本人1568万人と扶養家族1215万人について、電算処理レセプト3億1777万件を分析した。

その結果、医科の1人当たり医療費は入院が3万4618円、入院外が6万2836円で、合計9万7454円だった。

疾病19分類別の医療費構成は、入院で新生物19.3%、循環器系16.0%、消化器系8.4%が高く、呼吸器系は7.0%で5番目だったが、入院外で呼吸器系が最高の18.8%で、新生物の8.5%や循環器系の8.2%を大きく上回った。

入院外における呼吸器系の1人当たり医療費は、被保険者本人の場合に1万1653円で、最も高い内分泌・栄養・代謝の1万2430円に次ぐ水準だが、家族の場合に他の疾病分類が8000円程度までのところ、2万4838円と突出して高かった。

呼吸器系は入院外で、1千人当たりレセプト件数を指す「受診率」が疾病19分類のなかで最も高く、本人が1412.5であるのに対し、家族が2734.2と際立った。呼吸器系の入院外レセプト1件当たり受診日数は本人1.5日、家族1.7日で、入院外1日当たり医療費は本人5558円、家族5294円となり、いずれも他の疾病分類と大きな違いがなかった。

より細かい疾病119分類別に入院外の1人当たり医療費をみると、家族では喘息が5874円で最も高く、次にアレルギー性鼻炎の5458円が続くなど、上位5番目までのうち3分類を呼吸器系が占めた。本人では糖尿病6322円、高血圧6035円などが高く、アレルギー性鼻炎は3187円、喘息は2141円だった。

前期高齢者の入院外1人当たり医療費は、高血圧2万3640円や糖尿病2万3084円などが高かった。

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