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健保ニュース 2019年5月下旬号

健保連ウオーキングキャンペーン
熊本県に義援金330万円寄付
健康増進と復興支援を同時実現

健保連の棟重卓三理事らは8日、熊本県庁に渡辺克淑健康福祉部長を訪ね、熊本地震の復興支援として昨年10月から今年3月に実施したウオーキングキャンペーンで集まった義援金330万450円の目録を手渡した。義援金は歩数や参加者数に応じて増える仕組みで、健保組合と協賛企業から原資を募った。

熊本県への寄付は昨年に続き2回目で、58健保組合の加入者3万5445人が参加した。組合数は前年度比12組合増、参加者数は同2万9163人増と5倍以上に増えた。

贈呈式で棟重理事は「参加組合数、参加者数、平均歩数いずれも前年度より増えた。被災地のためならがんばれるという気持ちが表れた結果だと思う。参加した健保組合とその加入者の気持ちを受け止め、復興に役立てていただきたい」とあいさつした。

渡辺部長は「震災から3年が経過しても熊本を心配してくれていることは被災者にとって心強く、生活再建に向けた後押しになる」と感謝の言葉を述べ、「熊本県もくまモンの歩数計アプリを開発して提供しているが、健保連のこうした健康づくりが社会貢献につながる取り組みはわれわれの見本になる」と語った。

ウオーキングキャンペーンは健保連が平成29年度に立ち上げた3年間の「社会貢献型インセンティブ検証事業」として実施したもので、30年度事業の今回が2回目となる。

個人の自主的な健康づくりを促すインセンティブ事業は、商品券や健康グッズなどと交換可能な「ヘルスケアポイント」の付与が主流で、健康意識の高い層の誘引にとどまる傾向があるが、同事業は災害被災地への寄付という社会貢献性を取り入れ、健康無関心層の参加意欲の喚起と継続意欲の維持を狙う。

参加者アンケートの結果などから社会貢献型インセンティブの導入による行動変容を検証し、最終年となる令和元年度も熊本県への寄付につながるウオーキングキャンペーンを継続実施する方針だ。

今回は歩数などを登録できるアプリを運営する野村総合研究所、法研、エムティーアイ、DeSCヘルスケアの4事業者、それぞれのユーザーである健保組合が同事業に参画し、加入者に参加を呼びかけた。

4事業者間で実施期間や義援金の算定方法などに違いはあるが、健保連が整備した歩数の集計システムを通じ、異なる健保組合の加入者が復興支援という共通の目標に向け、一体感を持って取り組むことを可能にしている。

キャンペーンサイトには健保組合別の歩数ランキングを表示し、競争心とモチベーションを高めた。1日当たりの平均歩数は前年度比535歩増の9524歩で、20~64歳の全国平均(男性7636歩、女性6657歩、厚生労働省「平成29年国民健康・栄養調査」)を大きく上回った。

同事業を監修する東京都健康長寿医療センター研究所・運動科学研究室長の青柳幸利氏は「参加者数が5倍以上に増えるなか、平均歩数が500歩増加するという素晴らしい結果だ。誰か(震災復興)のために歩くことが、参加者の意欲を高めたのではないか」と評価している。

社会貢献の動機付け
参加意欲に好影響

参加者のうち約3500人が終了後に回答したアンケートでは、52%が「震災復興への貢献が参加意欲につながった」とした。「今後も同様のキャンペーンに参加したい」は80%に上った。こうした結果から、社会貢献型インセンティブの導入が参加意欲の喚起に一定の効果があるとみられる。

また、「今後もウオーキングを習慣として続ける」が85%、「キャンペーン参加でウオーキングの量が増えた」が74%などと、健康意識の向上に寄与したことも分かった。

義援金目録を贈呈する棟重理事

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