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健保ニュース 2019年5月合併号

経済同友会が柔軟なオンライン診療を提言
企業・健保組合特区で実証実験

経済同友会は4月23日、オンライン診療・服薬指導の規制緩和に向けて、企業と健保組合による国家戦略特区での実証実験を提言した。特定の医療機関や薬局と提携し、従業員と家族が遠隔から柔軟に診療や服薬指導を受けて、薬を配送してもらう。全額自費の自由診療とせずに患者一部負担の保険診療として実施する。

オンライン診療は前回の診療報酬改定で制度化されたが、継続管理が必要な生活習慣病、難病、精神疾患などに限られている。初診から6か月間にわたり外来や在宅で同じ医師による月1回以上の診察経験があり、オンライン診療を始めた後に最低3か月に1度の対面診療を組み合わせなければならない。夜間、緊急時に概ね30分以内で対面できる体制も条件になっている。

提言は現行の仕組みについて、「オンライン診療を普及すべく制度を整備したはずが、こうした制約等により普及が進まないどころか、これまでの電話再診よりも利用しにくい」とした。オンライン服薬指導に関しては、医薬品医療機器等法で禁止されており、一部の地域を特区に指定して有効性や安全性を検証しているが、離島・へき地の居住者だけが対象で、「利用条件の厳しさから、ほとんど利用されていないのが実情」と指摘した。さらに、全国解禁に向けた薬機法改正案が今国会に提出されているが、「あくまで対面を補完する限定的な運用」にとどまる見込みだと不満感を示した。

そこで、望ましい規制のあり方として「重要なことは、利用者が新たな製品・サービス等の利用を選択できる環境の整備である」と主張した。診療や服薬指導について、医師や患者が自らの意思で選択できるように「規制改革を迅速に進めるべき」とし、疾患範囲を広げ、対面とオンラインの自由な組み合わせを認めるよう求めた。

具体的には、初診の対面義務を維持したうえで、事前に6か月以上や途中に3か月ごとに対面しなければならない制限を外す。30分圏内の条件は撤廃し、診療計画に緊急対応する医療機関を盛り込む。情報通信機器の操作が苦手な高齢者などを想定し、看護師などの協力を得ながら、公民館などの行政施設で受診できる環境も整備する。オンライン服薬指導は患者の居住地を問わず可能にする一方、ガイドラインを定め、服薬指導の動画記録を一定期間保存することなどを義務づける。

まずは課題や効果を把握するために、健保組合加入者からデータを収集する特区を創設する。「企業と健保は、従業員の健康増進、健全な保険財政を重視することから、医師や薬剤師による不適切なオンライン診療・服薬指導、被保険者による安易な受診に対するチェック機能が働く」と期待した。特区の結果を踏まえて初診にオンラインを適用する可能性も検討する。

対面に比べてオンラインの診療報酬が低いことは、「明確な根拠がない」と問題視した。

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