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健保ニュース 2019年5月合併号

規制改革推進会議が意見書
医療分野でデータ利活用を促進
課題は契約、技術、包括的法整備

政府の規制改革推進会議(大田弘子議長)は10日、医療分野におけるデータ利活用の促進に関する意見書を了承した。国民がスマートフォンなどで自分の健診情報を管理しやすい環境づくりを厚生労働省に求めた。

原案を作成したワーキンググループの林いずみ座長は、会合後の記者会見で「契約、技術、包括的な法整備の3つの観点から意見をまとめた」と述べた。

31年度の適用状況は、新設11合、解散5組合、合併消滅7組合で、健保組合数は前年度に比べ1組合減少し1388組合となった。

意見書は契約面について、「条項例や条項作成時の考慮要素等を、ガイドライン等の形で示すべき」と提言した。

保険料の基礎となる被保険者1人当たり平均標準報酬月額は37万5954円で前年度比6156円(1.66%)増、平均標準賞与額は112万8922円で同4万2517円(3.91%)増といずれも伸びた。健保連は、「解散組合は比較的報酬水準が低く、その影響を除くと、平均月額は2107円(0.56%)増、賞与額は1万3133円(1.18%)増となる」と分析している。

健診の種類は高齢者医療確保法にもとづく特定健康診査、労働安全衛生法の事業主健診、学校保健安全法の教職員健診など様々で、それぞれ縦割りの法令で情報の取り扱いが異なる。事業者が健診を医療機関へ委託する場合には、事業者の許可なく医療機関から個人的にデータ提供を受けられず、自分の情報であっても健康管理に活用できない問題がある。そのため、「現状では個々人がスマートフォン等を使って自らの健康管理を行っていくことが困難」という。

当面は、「当事者が、データ利活用に関する方針に合意した上で、契約において情報の取扱いを明確に定めることが求められる」とし、特定健診以外の健診データについては、「個人への提供方法や利活用の在り方を整理し、40歳未満から継続して健康管理ができるようにすることが望ましい」とした。

技術面では、「医療機関や保険者の間で、共通のデータ標準に準拠してデータが管理される必要がある。また、紙ではなくデータで保存がなされ、データで送受信が行われることも重要」との認識を示した。対応策として、「標準規格の基本的な在り方を早急に検討し、公表すべきである。併せて、官民の役割分担を含む運営体制を構築すべき」と主張した。

包括的な法整備に向けては、働き方が多様化して生涯を通じた個人の健康・医療情報を引き継ぐ必要性が高まっているにもかかわらず、「制度やインフラが十分に整っていない」と現状を分析した。まず、国民のニーズが高いと考えられる▽救命医療における患者情報の医療機関共有▽セカンドオピニオンの取得▽自らの健診情報の取得と管理─などについて、費用対効果に留意しながら検討したうえで、「今後の個人情報保護法制の議論に、適切につなげていくことが望ましい」とした。

医療分野における個人情報保護法制が複雑なことを、「新たなサービスやビジネスの創出の阻害要因となる」と問題視し、「抜本的な解決に向けては、医療における個人情報取扱いに関する特別法の立法等が必要との意見もある」とも指摘した。

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