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健保ニュース 2019年4月上旬号

保険者健診・保健指導等検討会
データ一元管理の仕組み固まる
加入者の同意を得て5年間保存

厚生労働省の保険者による健診・保健指導等に関する検討会(座長・多田羅浩三日本公衆衛生協会会長)は3月28日、特定健診と後期高齢者健診のデータを保険者間で引き継いだり、国民や医療機関が閲覧する仕組みについて、具体的な設計を了承した。保険者が加入者から同意を得たうえで、共有のクラウドサーバーに情報を登録する内容で、来年度に実施する特定健診・保健指導の法定報告が全保険者から出揃う再来年11月以降、全受診者分の照会が可能になる。

データの管理は、保険者が社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会へ委託し、オンライン資格確認と一体的に運用する。

原則として法定報告のデータを活用するが、健診の実施から法定報告まで間があるため、健診が終わった段階で登録できるようにする。稼働当初の再来年1~3月については、先行して登録する保険者を募って部分的に始める。

さらに、個人単位の被保険者番号が振られるのを待って、保険者を経由せずに健診実施機関から直接登録する方法も認める。

データの保存は原則5年間分に限定してコストを抑える。現行法令で規定されている保険者の記録期間や保健指導の実務を考慮して判断した。

加入者による閲覧については、マイナポータルのほかに、保険者や個人で契約する民間サービスの活用も想定した。医療機関からは、医療費のオンライン請求ネットワークを通じた仕組みを検討する。

健保連の河本滋史常務理事は、「ランニングコストを保険者が負担するとなると、重要な問題として議論しなければならない。法定報告に先行して登録する仕組みをつくるには保険者のシステム改修も必要で、そこの費用負担も必要になる」と指摘した。厚労省保険局は「オンライン資格確認全体について関係者を交えて調整する場で議論してもらう」と説明した。他の委員からは「定着するまでランニングコストを国に負担してもらいたい」との要望も出た。

保健指導モデル実施
全体の1割弱まで拡大
健保組合が大半占める

厚生労働省は3月28日の保険者による健診・保健指導等に関する検討会で、30年度の特定健診にもとづく特定保健指導の「モデル実施」について、3月10日現在で全保険者の1割弱に相当する206保険者まで拡大したと報告した。健保組合が195保険者と大部分を占めた。

モデル実施は、30年度から積極的支援を柔軟に行えるようにするもので、厚労省が初めて参加状況を公表した10月中旬以降、51保険者が加わった。越年度での開始が可能なため、今後も増える見通し。

厚労省は、実務者ワーキンググループの意見を踏まえ、参加の経緯などを23保険者からヒアリングした。その結果、固有の課題を分析して明確な目的を設定した7保険者を好事例として、横展開することにした。健保組合では日本航空、阿波銀行、遠州鉄道、ヤマザキマザックが選ばれた。

このほか31年度以降は、「健診結果や生活習慣病の変化」と「特定健診・保健指導の実施率等の変化やモデル実施の参加率」を指標として、効果検証する。

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