対談・イベントレポート
―健康保険組合全国大会― 全国大会レポート
平成30年度 健康保険組合全国大会
健康保険組合連合会は10月23日、東京国際フォーラムで「平成30年度健康保険組合全国大会」を開催した。「STOP現役世代の負担増!改革の先送りは許さない」をテーマに、全国1400余りの健保組合関係者ら約4000人が参加。▽拠出金負担に50%の上限、現役世代の負担に歯止めを▽高齢者の2割負担など負担構造改革の早期実現▽実効ある医療費適正化対策の確実な実施▽保健事業の推進による健康寿命延伸と社会保障の支え手の確保を――の4項目を含む決議(pdf)を満場一致で採択した。
決議を手交する大塚陸毅会長(左)と
鈴木康裕厚生労働省医務技監(右)
健保連の大塚陸毅(おおつか・むつたけ)会長は基調演説で、高齢者医療への過重な拠出金により厳しさを増す健保組合財政を立て直すためには、「現役世代に偏った負担の不均衡を是正する高齢者医療費の負担構造改革を断行しなければならない」と強調し、国に対し「早急に一歩を踏み出すべきだ」と改革の早期実現を求めた。
大会には鈴木康裕厚生労働省医務技監が出席し、根本匠厚生労働大臣のあいさつを代読。今年に入り大規模総合組合が解散を決めるなど、財政問題を抱える組合が存在するとして、今後は健保連と連携し、財政が悪化する前段階から支援に取り組む考えを表明した。また、健康寿命の延伸に向け、「疾病予防・重症化予防」に重点的に取り組む方針を示し、健保組合のさらなる保険者機能の発揮・強化に期待した。
各政党からも多くの国会議員が駆けつけた。自民党の小泉進次郎厚生労働部会長、公明党の桝屋敬悟政務調査会長代理、立憲民主党の海江田万里最高顧問、国民民主党の羽田雄一郎参院議員の4氏が各党を代表してあいさつし、医療保険制度を含む社会保障改革の必要性を強調した。
各党のあいさつに続き、被用者保険関係団体から日本経済団体連合会の井上隆常務理事、日本労働組合総連合会の神津里季生会長、全国健康保険協会の安藤伸樹理事長の3氏が登壇し、それぞれの立場から改革の必要性と連携の重要性を訴えた。日本商工会議所からは三村明夫会頭のメッセージが寄せられた。
最後に、経済産業省 商務・サービス政策統括調整官の江崎禎英氏が「超高齢社会への対応―社会保障制度改革の視点―」と題して講演した。江崎氏は、人生100年時代において、「高齢化は、対策すべき課題ではない」と強調。「還暦を迎えたあとの『2周目の人生』における幸せの形を見つけることが重要であり、それをサポートできる社会を構築すべき」と述べた。大会は、盛況のうちに閉会した。