対談・イベントレポート
―健康保険組合全国大会― 全国大会レポート
平成28年度 健康保険組合全国大会
28年11月29日(火)、東京国際フォーラムにおいて、「平成28年度健康保険組合全国大会」が開催された。28年度の全国大会は「改革の早期実現!次世代へ安心・納得の確保を!」を副呼称に、全国1400の健保組合関係者ら約3,500人 が参集。「高齢者医療費の負担構造改革の早期実現」、「皆保険の堅持に向けた健保組合の維持・発展」、「実効ある医療費適正化対策の確実な実施」、「現役世代が納得できる介護保険制度の実現」の4項目をスローガンに掲げ、同スローガンにもとづく決議が満場一致で採択された。
健康保険組合連合会会長 大塚 陸毅 氏
健保連の大塚陸毅(おおつか・むつたけ)会長は、拠出金負担増や高齢化に伴う医療費の増加などにより、健保組合財政は非常に厳しい状況に陥っていると指摘。世界に誇る皆保険制度を守るため、現役世代の過重な保険料負担を見直すとともに、医療費適正化を推進することが喫緊の課題であると強く訴えた。
また同日は、衆議院本会議と重なったため塩崎恭久厚生労働大臣に代わり、馬場成志厚生労働大臣政務官が全国大会に出席し、あいさつした。その中で、政府としても皆保険制度の堅持に向けて、医療提供体制や医療保険制度の改革に取り組み、制度の持続安定性を確保する決意を示した。
同大会には、各政党から40人近くの議員も列席。政党を代表し、自由民主党の太田房江参議院議員、公明党の桝屋敬悟衆議院議員、民進党の白眞勲参議院議員の3氏があいさつし、健保組合に対する敬意と、持続可能な医療保険制度の確保に向けた決意を示した。
つづいて、関係団体である日本経済団体連合会常務理事の井上隆氏、日本労働組合総連合会事務局長の逢見直人氏、全国健康保険協会理事長の小林剛氏の3氏が、それぞれの立場から改革の必要性と連携の重要性を訴えた。
その後、「医療制度改革の課題と展望~保険者に求められるもの~」をテーマに、政策研究大学院大学教授の島崎謙治氏による講演が行われた。島崎氏は、約1時間にわたる本講演において、日本の医療制度の基本構造について諸外国と比較しながら解説するとともに、医療・介護の再編を進めることが重要だと主張。また、日本が採用する「社会保険方式」の意義と健保組合の意義を語った。