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離れて暮らす親のケア vol.72

NPO法人パオッコ理事長の太田差恵子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差恵子

おしゃべりな親にイライラ

親元を離れてから二〜三十年が経過している人が多いと思います。それだけの年月が経つと、たとえ、現在の親の家が自身の生まれ故郷であったとしても、その地域に対して、「居心地の悪さ」を感じることがあるかもしれません。

先日、Sさん(50代・男性)は帰省した際、1人暮らしの父親と商店街に買い物にでかけました。最初は、商店の人たちと立ち話をする父親を微笑ましく見守っていたといいます。都会と違って、ゆっくり時間が流れています。しかし、見知らぬ店員がSさんの方を見て、思いがけない言葉を発し、Sさんはボーゼン。「新しい会社はどう?」と。どうやら、先方は最近、Sさんが転職したことを知っている様子。Sさんが返答に窮していると、父親が「課長なんですよ」とにっこり。Sさんは思わず父親をにらみつけましたが、意に介さないばかりか、むしろ得意そうな様子……。

「どうして親父は、知らない人に、そんなことまで話すのか、驚き、あきれ、腹が立ちました」とSさん。確かに、都会では、親戚や友人でもない人に、家族のプライベートな話をすることはありません。きっと、田舎と都会の文化の違いなのでしょう。どちらが良くて、どちらが悪いという話ではないので、イライラするだけ損! 1人暮らしの父親が、自分のことをネタに地域の人と会話をしているのは、結構なことだと割り切りましょう。郷に入れば郷に従え。田舎の「異文化」を楽しむくらいの気持ちで。

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