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ほっとひと息、こころにビタミン vol.19

精神医療の現場で注目されている「認知行動療法」の日本における第一人者の大野裕先生が「こころ」の健康についてわかりやすく解説します。

【コラム執筆】
日本認知療法・認知行動療法学会理事長
ストレスマネジメントネットワーク(株)代表
精神科医 大野 裕

こころ日記のすすめ

私たちは毎日の生活のなかでさまざまなストレスを体験していますが、ほとんど意識しないまま上手にそのストレスをやり過ごしています。私たちは誰でも、そうしたこころの力を持っているのですが、ストレスが強すぎたり、自分にとって苦手なストレスだったりすると、心身に変調をきたして、気分が落ち込み不安が強くなったりします。

そうなると仕事に集中できなくなり、人間関係を煩わしく感じたりするようにもなります。さらに眠れなくなったり、食欲がなくなるなど、体調に変化が生じることもあります。こうした状態が長引くと取り返しがつかなくなることさえあります。

そうした状態から自分を守るためには、早めに変調に気付いて対応することが大切なのですが、私たちは、自分だけは大丈夫と考えたり、弱音を吐いてはダメだと思ったりして、つい無理をしてしまいがちです。しかし、こうした心身の変調は、何らかの対応が必要な状態にあるということをこころや体が伝えているアラーム(警報)ですから、アラームに気付いたときには、早めに対応する必要があります。

そのためには、一日に一回、短時間でいいので、自分の心身の状態を振り返る時間を持つようにすると良いでしょう。その1つとして私は、一日の終わりに「こころ日記」をつけることを勧めています。それは、静かに一日を振り返って、自分にとって良かった体験と良くなかった体験を書き出し、その体験をもとに今後生かせそうなことを簡単に書き出すというものです。このような工夫をすれば、ストレスを自分のために生かせるようになるはずです。

大野 裕(ゆたか)

ストレスマネジメントネットワーク(株)代表。精神医療の現場で注目されている「認知行動療法」の日本における第一人者で、日本認知療法・認知行動療法学会理事長。著書に『マンガでわかる心の不安・モヤモヤを解消する方法』(池田書店)など。

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