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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.40

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

頻繁に「来てほしい」と言われるが…

何かと子どもを頼る親と、そうでない親がいます。性格や心身の状態、日々のストレスなどによるのでしょう。老親から全く頼られないのも寂しいものですが、頻繁に呼び出されるとプレッシャーとなることもあります。

T子さんの両親(80代前半)は、車で1時間ほどの実家で夫婦2人暮らし。2人とも身の回りのことはできますが、あまり仲が良くないのが悩みの種。「父との生活に苛立つことがあるらしく、母は、しょっちゅう電話を掛けてきて『ちょっと、来て』と言うんです」とT子さん。T子さんはフルタイム勤務です。「来て、と言われても平日はムリ。職場から自宅に戻ると夜の8時前になりますから」。そのため、できるだけ土曜日か日曜日に実家に行くようにしているそうです。スグに行かないことで母親の機嫌が悪くなることもあります。

難しい問題ですが、子には子の生活があり、親の希望をすべてかなえることはできません。母親としっかり向き合い、T子さんの日々のスケジュールについて理解を求めましょう。常に母親は「次はいつ来てくれるのかしら」と考えているのかもしれませんね。行った際に、「次回は○日ね」と居間のカレンダーにでも、印をつけてはどうでしょう。若かった頃、恋人との次のデート日が決まっていると心が落ちついた経験はありませんか。

無理を重ねると、実家の存在が負担になってくることもあります。そうならないよう、ある程度こちらのペースを保ちつつ親をサポートしたいものです。

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