かしこい患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.97

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

親の治療に家族の意見が異なる場合

相 談92歳の母は、特別養護老人ホームに入所していました。ところが半年ほど前に激しい背中の痛みを訴え、病院に運ばれました。検査の結果、尿管結石と診断され、ステントという金属製の筒状のものを尿管に入れたと聞いています。ステントは3カ月経つ頃に取り除く予定とのことでした。ところが、治療後2カ月が経ったころ、ステントに石が付着していることがわかったのです。そのため、全身麻酔で手術をおこない、ステントと石を取り出しました。全身麻酔が高齢の身に応えたのか、母は術後、衰弱が激しく、食欲もなかなか戻りませんでした。

最近、ようやく伝い歩きができるまでに回復してきたのですが、また尿管結石が生じていると判明しました。ドクターは、再び全身麻酔をかけて、石が付着しにくいステントを入れると言っているそうです。説明を聞いているのは施設に入るまで同居していた妹なのですが、何でもドクターの言いなりです。遠くで暮らす兄と私(長女)は全身麻酔による母の負担が心配でなりません。すると、ドクターから電話がかかってきて「妹さんに同意書を書いてもらうことにご了承ください」と言われました。従うしかないのでしょうか。

コメント山口育子(COML)

まずは患者さんご本人の意思確認が必要と思い、相談者にお聞きしてみると、お母さんは認知症で判断能力はほぼないとのことでした。となれば、家族で話し合って意思表示するしかありません。そのときに問題になるのが、家族によって意見が異なる場合です。

誰か1人が代表して説明を受け、ほかの家族に伝達している場合、説明を受けた人の理解度や解釈によっては情報を共有できる内容が異なってきます。さらに日ごろから患者さんの状態を見ている人と、遠く離れて報告だけ聞いている人とでは、認識も違ってくるでしょう。また、それぞれの価値観や考え方の違いによっても意見は分かれがちです。

そこで、常に一堂に会することは不可能でも、重要な決定のときはできるだけ直接会って話し合う機会を作る必要があると思います。可能な範囲で情報を共有したうえで、しっかり話し合って決めることが大切です。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ http://www.coml.gr.jp/

電話医療相談 電話06-6314-1652(月〜金曜日 9:00〜17:00 土曜日 9:00〜正午)

バックナンバー