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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.26

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

「旅」の提案をしてみませんか

からだが不自由になると、宿泊を伴う外出を躊躇しがちです。旅行好きだった親が、最近出かけなくなったということはありませんか。

ツアーに参加しても、他の参加者に迷惑をかけるのではないかと不安視する高齢者の声は多いものです。「トイレを探しているうちに、集合時間に遅れてしまって。その次、新幹線のツアーに参加したときは、夫が体調を崩して…。もう旅行はあきらめました」と話す女性(79歳)は、とても寂しそうでした。

先日、Aさんは実家に帰省した際、両親を1泊旅行に連れ出しました。父親は要介護1。日々の介護は母親が担っていますが、2人だけの閉塞感からか最近は会話も少なくなっていることが気がかりでした。自宅から車で2時間ほどの距離の温泉までタクシー移動。タクシーと宿泊がパッケージになっており、思いのほかリーズナブルだったそうです。「車窓の風景が変わるにしたがい、両親の顔がほころぶのが分かりました。久しぶりに温泉に入り、2人共、とても喜んでいました。また、誘います」とAさん。

最近は、体力に自信のない高齢者や障がい者が国内外の旅行を楽しめるようにサポートする旅行会社も増えています。家族が一緒に参加するケースだけでなく、ヘルパーや看護師、医師が同行することで、からだの不自由なお年寄りの一人参加を可能にするツアーなどもみられます。旅行というチャレンジが日々の自信につながることも。「旅好き」の親であれば、一度勧めてみませんか。

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