健康コラム

賢い患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.135

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

医師による見解の違いに不安

相 談半年前、私(68歳・女性)は胸が苦しくなり、別の病気で受診している病院を受診しました。その日、循環器内科の部長が外来の初診担当だったのですが、診察の結果、「心房細動が原因でしょう」と言われて、抗凝固剤が出されました。そして「手術になる可能性もあるので、まずは入院して詳しい検査をしましょう」と言われました。

心臓カテーテル検査も受けたのですが、結果としては血管に詰まっているところはありませんでした。そのため、しばらく外来通院で様子を見ることになり、担当も部長から若いドクターに代わりました。

退院して初めて若いドクターの外来を受診すると、「あなたは長年透析を受けておられますね。それだと抗凝固剤の服用はリスクが高いので、投与はいったん中止しましょう。手術もいまの時点では考えていませんから、経過観察だけでいいですよ」と言われました。

私が長年透析を受けていることは部長も知っているはずです。経験ある部長が必要と判断して出してくれた薬をいとも簡単に中止してしまうことに不安を感じています。このまま若いドクターにかかり続けることに不安があるのですが、どうすればいいでしょう。

コメント山口育子(COML)

ドクターによって見解が異なることはあり得ることですが、いったん出されていた薬をやめるというのは、患者にとって不安を伴うことだと思います。

まずは、その若いドクターに率直に不安を伝え、意見を求めてみてはどうでしょうか。「部長にも長年透析を受けていることは伝えたのに、抗凝固剤にリスクがあるというお話はありませんでした。その見解の違いについて、もう少し詳しく教えていただけませんか。また、今回、抗凝固剤を中止するということについて、部長も同意されているのでしょうか? それに、飲み始めた薬をやめてしまって、再び胸が苦しくなることはないのでしょうか。抗凝固剤を中止するにしても、それに代わる何か別の治療方法はないのでしょうか」という具合に「相談する」という姿勢でたずねてみれば、ドクターも説明してくれるのではないかと思います。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

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