HOME > 健康コラム > ほっとひと息、こころにビタミン バックナンバー > ほっとひと息、こころにビタミン vol.39

ほっとひと息、こころにビタミン vol.39

精神医療の現場で注目されている「認知行動療法」の日本における第一人者の大野裕先生が「こころ」の健康についてわかりやすく解説します。

【コラム執筆】
日本認知療法・認知行動療法学会理事長
ストレスマネジメントネットワーク(株)代表
精神科医 大野 裕

三つの思い切り

新しく働き始めた方々は、研修期間等が終了し、環境に慣れてくるころではないでしょうか。その一方で、社会の第一線に立たされるなど、新たな緊張場面が増えてきます。また、新社会人として、この時期を乗り越えていこうという前向きな気持ちと、乗り越えていけるのかと不安が交錯する時期でもあります。

こうした時期を上手に乗り越えていくには、思い切りの良さが大事です。思い切りの良さには三つの意味があると、私は考えています。

まず、思い切って行動してみることです。経験が少ないと、どうしても良くない可能性を考えて思い切った行動がとれないことがよくあります。しかし、頭の中で考えているだけでは、先に進むことができません。必要な準備をした上で、思い切って行動してみてください。

次が、失敗したときの思い切りです。初めての経験も多いはずですから、何でもうまくいくとは限りません。むしろ、失敗することの方が多いかもしれません。そのとき、失敗したことにこだわるのではなく、その失敗を次につなげるような思い切りが大事になります。

そして、最後が、思い切って相談することです。周りの人たちが忙しそうにしていると相談しにくいものですが、自分一人で抱えこんでいたのでは問題がますます大きくなってしまうことがあります。困ったことが起きたときには、まず自分で工夫した上で、うまくいっていること、うまくいっていないことを周囲の人に話して相談するようにしましょう。今回ご紹介した三つの思い切りは、新入社員に限らず誰にとっても大切なこころの姿勢です。

大野 裕(ゆたか)

ストレスマネジメントネットワーク(株)代表。精神医療の現場で注目されている「認知行動療法」の日本における第一人者で、日本認知療法・認知行動療法学会理事長。著書に『マンガでわかる心の不安・モヤモヤを解消する方法』(池田書店)など。

バックナンバー