かしこい患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.114

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

医療機関の機能分化

相 談独身で一人暮らしをしている叔母(78歳)は、先日買い物に行く途中で自転車と接触して転倒し、救急搬送されました。検査の結果、外傷性のくも膜下血腫とわかり、溜まった血液を抜く手術を受けました。

入院直後から「症状が落ち着いたら、リハビリ専門の病棟がある病院に転院していただきます」と言われ、何やら落ち着かない気分でした。叔母の面倒を見るのは私以外にいないので、すべて私が説明を受けていたのですが、病状より重要なのかと思うほど、転院の話に重点が置かれていました。

約3週間で脳の状態は落ち着いたと判断され、リハビリ専門の病院に転院しました。リハビリ専門というだけあって、一日の生活すべてがリハビリにつながるようにプログラムが立てられていました。その甲斐あって、叔母はしばらく経つと車椅子に乗って移動ができるようになりました。するとソーシャルワーカーから連絡があり、今度は「療養病床のある病院に転院する準備をしたい」と言われたのです。これではまるで、患者はベルトコンベアーに乗せて加工していく商品のようです。落ち着いて1カ所でじっくり療養できないものなのでしょうか。

コメント山口育子(COML)

最近は1カ所の病院完結型で治療が受けられなくなってきましたので、入院生活は非常に慌ただしくなっています。これは、医療機関の機能分化が進んできた結果なのです。病気やケガで積極的な治療が必要な場合は「急性期」病院が役割を担います。より重症の場合は「高度急性期」もあります。症状がある程度落ち着くと、今度は「回復期」の医療機関、さらに落ち着くと療養病床などの「慢性期」の医療機関を利用する場合もあれば、在宅医療へと移行していく場合もあります。

今年から一般病床を持つ病院は、病棟ごとの機能を、上記の4種類に分けて都道府県に報告する制度が始まります。都道府県はその実情を踏まえて将来的な、特に2025年を視野に入れた地域医療ビジョン(構想)を立てるのです。このような動きを私たちも理解する必要が生じてきています。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ http://www.coml.gr.jp/

電話医療相談 電話06-6314-1652(月〜金曜日 9:00〜17:00 土曜日 9:00〜正午)

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