かしこい患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.106

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

病状を伝えない娘が心配です

相 談現在43歳の娘が、3年前に卵巣がんとわかり、手術を受けました。当時、娘は「手術でがんはすべて取りきれたと先生から説明を受けた」と言っていました。ところが、最近になってわかったことなのですが、その後に再発して、どうやら今は末期状態らしいのです。

というのも、娘は私たち両親に病状を一切伝えてくれません。入院するたびに、妻は娘から頼まれ、中学生と小学生の孫の面倒を見に行きます。妻にも具体的な入院の理由は言わないらしいのですが、どうやら抗がん剤治療を受けているらしいのです。私は心配でたまらず、娘に「お前が私たちに説明しにくいのなら、私が先生から直接説明を受ける」と言ったのですが、「それは絶対にしないで」と断られました。それでも心配な気持ちが抑えきれず、娘が入院している病棟のナースステーションに行き、「娘の病状について先生から直接説明を受けたい」と申し出ました。すると、看護師に「娘さんは以前から、ご主人以外の方への説明を明確に拒絶されています。ご本人の承諾がないと、説明はできないのです」と言われてしまいました。親が娘の病気を心配して知りたいと思うのは当然のことではないでしょうか。病院の対応に納得がいかないのですが…。

コメント山口育子(COML)

確かに、親御さんが娘の病気について心配し、何が起きているのか知りたいと思われるのは当然です。ましてや病状が思わしくないと知れば、居ても立ってもいられなくなるでしょう。

ただ、現在はプライバシーに対して、厳しい目が向けられる時代になってきました。とくに個人情報保護法が2004年から施行され、各医療機関では「個人情報の利用目的」を定めて公表しています。そのなかに「家族等への説明」という項目が大抵あるのですが、「私は家族に説明してほしくない」と考える患者が事前にその意思表示をしておけば、医療機関は患者の意思を尊重しなければならないのです。娘さんがなぜご両親に知られたくないと思っているのか理由はわかりませんが、まずはご両親から娘さんに心配していることを伝え、病状を理解したうえで支えたいと話し合うことが先決問題だと思います。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ http://www.coml.gr.jp/

電話医療相談 電話06-6314-1652(月〜金曜日 9:00〜17:00 土曜日 9:00〜正午)

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