かしこい患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.6

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

高齢の親の手術判断

相 談87歳の父親は80歳の母と2人暮らしで、私(娘)が近所に住んで必要なときは手伝いに行っています。2人とも認知症はなく、身の回りのことは自分でできるので、手伝いはしても、介護までの必要はない状態です。

ところがここ数カ月、父の食欲がかなり落ちてきていると母が気にするので、私が付き添って病院で受診しました。そして胃カメラ検査を受けた結果、胃がんが見つかったのです。医師は「当院は90歳代の患者さんでも手術をしています。胃は全摘ではなく3分の1は残せる状況ですので、手術をしましょう」と言います。しかし、父の年齢を考えると、手術を受けるリスクの方が心配です。高齢だと病気の進行も遅いだろうから、手術をせずに自然に任せて、辛い症状だけ抑えてもらうほうが良いように思うのです。

そこで、医師に「先生の親だったら、87歳でも手術を勧めますか?」と聞いてみました。すると「もちろん、勧めます」と言われたのです。それでさらに迷いが生じ、もし手術を受けないという選択をして、父が痛みや辛い症状に苦しんだらどうしようと考えると、決められなくなってしまいました。いったい、どのように判断すればいいのでしょうか。

コメント山口育子(COML)

手術を受けるかどうかの判断をするにあたって、まず大切なのは患者さん本人の思いや考えです。87歳という高齢であっても、認知症もなく、身の回りのことは自分でできている方なので、医師から手術を勧められたことについてどう受け止めているかを確認することが大切だと思います。ご本人が判断するのに迷いがある場合は、何が迷いの原因なのかを聞き出すことができれば、判断するための情報を医師に求めることもできます。その上で、手術を受けるか否かを一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

もし患者さん本人が「自分では決められないから決めてほしい」とおっしゃるのなら、それも1つの意志表示です。その場合は、医師にリスクについての不安を伝えて意見を求め、さらに医師が自分の親の場合でも手術を勧める理由や根拠を聞いてみてはどうでしょうか。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ http://www.coml.gr.jp/

電話医療相談 電話06-6314-1652(月〜金曜日 9:00〜17:00 土曜日 9:00〜正午)

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