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離れて暮らす親のケア vol.35

NPO法人パオッコ理事長の太田差恵子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差恵子

仲の悪い親の2人暮らし…

仲の悪い両親が2人暮らしをしている、という話を聞くことがあります。とはいえ、「夫婦喧嘩は犬も食わない」という言葉があるように、実はその関係は良好というケースもあるでしょう。けれども、見逃してはいけない場合もあります。

N子さんの実家は、両親(70代後半)2人暮らしです。父親は気の荒いところがあり、昔から母親に手を挙げることがありました。数カ月前、N子さんが帰省したところ、母親の顔にあざが…。父親に殴られた痕であることはすぐに分かりました。あまりに腹が立ち、N子さんは父親をひとり残し、母親を自分の家に連れて帰りました。父親に「もう絶対殴らない」と約束させ、1カ月後、母親は実家に戻りましたが、今後に備え、N子さんは母親がひとりで入れる施設を探しているそうです。

高齢者虐待の発生を家族形態別に調査した厚生労働省のデータによると、「未婚の子と同居」が31.3%、次いで「夫婦のみ世帯」が19.3%。加害者の続柄は、多い順に「息子」「夫」「娘」。年末には75歳の夫が認知症の80歳の妻を包丁で殺害したという報道がありました。

親が2人暮らしの場合、あるいは親と子の誰かが2人で暮らしている場合、その関係が良好であるか観察する目を持ちましょう。2人きりという閉塞感が暴力を生むこともあります。無視や介護放棄など表面化しにくい虐待もあります。気になることがあったら、地域包括支援センターに相談し、サービスを導入するなど何がしかの手を打つことが急がれます。

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