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ほっとひと息、こころにビタミン vol.70

精神医療の現場で注目されている「認知行動療法」の日本における第一人者の大野裕先生が「こころ」の健康についてわかりやすく解説します。

【コラム執筆】
日本認知療法・認知行動療法学会理事長
ストレスマネジメントネットワーク(株)代表
精神科医 大野 裕

自分の性格、変えるよりも生かす

新しい年を迎えて、心機一転、頑張ろうとしている人は少なくないでしょう。そのために、自分の良くない性格を変えたいと考えている人もいるかもしれません。細かすぎる性格、人に振り回される性格、人に迷惑をかけてしまう性格。うまくいっていない時には、そうした自分の性格が気になるものです。

だからといって、自分が問題だと考えているその性格を変えられるかというと、簡単にはいきません。生まれつき決まっている性格にしても、成長の過程で身につけてきた性格にしても、既に自分の一部になってしまっているので簡単に変えられません。それではどうしようもないかというと、必ずしもそうではありません。

私はそのことを、うつ病を体験したことがある女性から教わりました。その人は、細かくて、人のことを気にする性格だそうです。最初は、その性格のために苦しいうつ病になったのだと考えて、ますますつらい気持ちになっていたといいます。でも、ある時、仲間と話していて気が付きました。

たしかに、細かくなりすぎて自分をしばったり、人の気持ちばかり配慮して自分の気持ちをないがしろにしたりするとつらくなります。しかし、細かいというのは、丁寧だということです。人のことを気にするというのは、人の気持ちに配慮ができるということです。自分の性格を自分らしく生きるために使えるかどうかが大事なのです。

私がユーチューブチャンネル「こころコンディショナー」で「無くて七癖こころのクセ」という動画を配信したのは、そうしたことを伝えたいと考えてのことです。

大野 裕(ゆたか)

ストレスマネジメントネットワーク(株)代表。精神医療の現場で注目されている「認知行動療法」の日本における第一人者で、日本認知療法・認知行動療法学会理事長。著書に『マンガでわかる心の不安・モヤモヤを解消する方法』(池田書店)など。

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