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離れて暮らす親のケア vol.44

NPO法人パオッコ理事長の太田差恵子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差恵子

「親の介護」をした場合の財産分与

なんともドロドロとしたタイトルになりました。でも、ときどき耳にしませんか。「親の介護は私1人でやったのに、財産分与になった途端、きょうだいが色々言い出した」なんて話し。

シングルのA子さん(50代)もそうでした。8年前、1人暮らしをしていた母親が健康を害し介護が必要になったため仕事を辞めて実家に戻りました。A子さんには姉と弟がいますが、たまにお客さんのようにやってくるだけだったとか。しかし、母親が亡くなり財産分与の話になったとき、2人とも目を輝かせて(A子さんいわく)乗り込んできたとか。

正直、A子さんはきょうだいよりも多く財産をもらえると思っていたそうです。ところが、姉と弟は等分にすることを主張。「この8年、お母さんの年金で生活していたんでしょ。家賃は払っていたの?」とまで言われました。

法律には「寄与分」といって、貢献のあった相続人の相続分を増やす制度があります。それは相続人全員で話し合って決めることが原則。難しい場合は家庭裁判所に申し立てることもできます。しかし、介護での「寄与分」が認められるのはまれのようです。しかも、裁判所が関わることになれば、後々大きなしこりを残すことになるでしょう。A子さんは考えた末、姉と弟の考えに同意しました。

親が亡くなってからお金のことでもめるのは辛いことです。介護を始める段階で安易に抱え込まず、きょうだい間での労力、お金などの分担方法を、しっかり話し合うことが大切だと思います。

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