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離れて暮らす親のケア vol.22

NPO法人パオッコ理事長の太田差恵子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差恵子

頑張りすぎない!

離れて暮らす親が支援や介護を要するようになったとき、子は「できる限りのことをして、親を支えてあげよう」と思うでしょう。そんな気持ちに水を差す気持ちは毛頭ありませんが、頑張り過ぎは禁物です。

Fさん(50代・男性)は、故郷でひとりで暮らす母親が体調を崩したとき、管理職として責任ある仕事に就いていました。休暇が取りづらいため、毎週土曜日の朝一番の新幹線に乗って帰省。日曜日の夜の夜行バスで東京に戻り、そのまま出勤するというスケジュールをこなすようになりました。「母は女手一つで僕たちを育ててくれました。大学を卒業したら故郷に戻るつもりでしたが、結局東京で就職、結婚。母をひとりにしてしまい、申し訳ない気持ちを引きずっていました」。

Fさんは母親への負い目から無理をしたのでしょう。故郷への往復が4カ月目に入った時、過労から激しいめまいに襲われて倒れました。幸い1週間で退院できましたが、なかなか本調子に戻れません。入院したことを伝えると、母親の担当のケアマネジャーからは「おかあさんには私たちがついています。まずは自分の健康を取り戻してください」と言われたそうです。母親には「私のためにあなたが倒れて…」と電話口で泣かれました。

『子ども』といっても、もう無理のきく年代ではありません。親の地域の人々や専門職の力を借りて、頑張りすぎないことが大切です。共倒れすると親に笑顔になってもらうどころか、泣かせることになることを肝に命じましょう。

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