かしこい患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.134

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

治験の同意は、説明を受けてから

相 談私(68歳・女性)は腎細胞がんと診断され、近くのクリニックから大学病院を紹介されて治療を受けることになりました。紹介状をもって大学病院を受診すると、外来の受付時に看護師から何やら文書を渡され、「治験に関する書類にも事前に署名して提出してください」と言われたのです。私は大学病院というところは、そのような手続きがドクターの診察の前にあるのだと思い、言われるままに署名して提出しました。

ところが帰宅して夫に話すと、「治験なんて、簡単に受けるものではない。まして説明も受けずに、ドクターの診察を受ける前に同意を求めるなんてあり得ない。そんな治験は断りなさい」と叱られてしまったのです。そこで翌日、大学病院に電話をかけて外来に回してもらい「昨日提出した同意書はいったん取りさげます」と伝えました。すると電話に出た看護師に「そんなことを言ってくる人はあなたぐらいです。最先端の治療を受けたくて大学病院を希望したんじゃないんですか!?」となじるように言われました。とりあえず同意書はいったん取りさげてもらえることにはなりましたが、ドクターが気分を害してきちんと診てくれないのではないかと心配です。

コメント山口育子(COML)

さまざまな臨床研究の不正事案が問題になっているにもかかわらず、いまだにこのような対応をする大学病院があるなんて信じられない思いです。

もちろんきちんと説明をしてから患者の自由意思で治験を受けるか否かを決めることは基本中の基本です。さらに、同意しなくてもいいですし、途中で同意撤回しても構いません。それによってなんらかの不利益を被ることもあってはならないことです。

治験は法律に基づいて実施されますし、臨床研究でも厳しい倫理指針に基づいておこなわれます。また、臨床研究コーディネーター(CRC)と呼ばれる中立的な専門家もいるはずなので、その方を訪ねて不安を打ち明けることもできます。また、大学病院ならば、治験や臨床研究について相談する窓口が設けられていることが多いので、まずは今回のような対応を伝えて相談してみてはどうでしょうか。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ http://www.coml.gr.jp/

電話医療相談 電話06-6314-1652(月〜金曜日 9:00〜17:00 土曜日 9:00〜正午)

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