かしこい患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.14

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

病院は機能で選ぶ時代に

相 談96歳の祖父が倒れ、救急車で病院に運ばれました。脳梗塞と診断され、SCU(脳卒中集中治療室)に入って2週間の治療を受けました。

その後、一般病棟に移ることになったのですが、大部屋に空きベッドがなかったため、1日2万円の個室に入っています。一般病棟に移ってからはとくに治療らしい治療はなく、鼻からのチューブで流動食を摂取している状態です。

祖父は右半身に麻痺が生じていて、ほとんど動かない状態で、会話もままなりません。これまでも介護保険は利用していましたが、脳梗塞を発症したことで介護度5になるだろうと言われているので、現在、審査を受けて認定を待っている状況です。

先日、病院の地域医療連携室の担当者から、「転院先として療養病床のあるA病院をお勧めしようと思っているのですが」と言われたのですが、A病院は地元でも評判が悪いので、とても祖父を転院させようという気持ちにはなれません。病院は、転院がさも当然かのように話してきますが、できればさまざまな科を備えている今の病院でずっと入院を継続して、診てもらいたいと思っています。それを叶えるには、どうすればいいのでしょうか。

コメント山口育子(COML)

ご高齢で、複数の疾患を抱えていれば、多くの科を持つ総合病院のような急性期病院(病気が見つかって専門的・積極的な治療を行う病院)でずっとかかっている方が安心、というお気持ちはよく分かります。そう考える人がまだまだ大勢いるのも現実です。しかし、今は「医療機能の分化」といって、医療機関も高度急性期、急性期、回復期、慢性期といった機能による役割分担をしています。そのため、「病院完結型医療」と呼ばれた以前のような1つの病院で最期まで診てもらうことはできない時代になってきています。

これは高齢者の増加に伴い、医療機関が役割分担し、医療と介護を切れ目なく利用できる工夫の1つでもあります。それだけに、病状から考えると、どのような機能をもった医療機関を利用することが望ましいのか、医療者と十分に相談しながら、冷静に病院選びをしていくことが求められています。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ http://www.coml.gr.jp/

電話医療相談 電話06-6314-1652(月〜金曜日 9:00〜17:00 土曜日 9:00〜正午)

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