かしこい患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.107

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

治験とは?

相 談私(48歳・女性)は先日、不正出血が続いて婦人科クリニックを受診したのですが、検査で子宮体がんと診断されました。そこで、すぐに大学病院に紹介状を書いてもらって、受診しました。すると、診察前に問診票を記入する際、治験に関する書類も一緒に渡されたので、何も考えずに署名して提出しました。その後に受けた診察では、ドクターから治験の話は一切ありませんでした。

帰宅して夫にそのことを話すと、「治験なんて、説明もなく同意したらダメだ」と言われてしまいました。提出したものの私も不安だったので、翌日病院の婦人科外来に電話をかけて、提出した同意書を撤回したいと申し出ました。すると、電話に出た方が「そんなことをする患者さんはめったにいませんよ」と困ったように言われたのですが、しぶしぶ撤回を認めてくれました。

なんの説明もなく同意書に署名を求められたことで、なんだか騙されたような気がしています。それに、つぎに診察に行ったときには、ドクターの横にもう一人白衣を着た人がいて、なんだか圧迫感を感じました。治験を拒否したことで、何か圧力をかけられたり、今後の治療に悪影響が及んだりしないでしょうか。

コメント山口育子(COML)

新しく薬が開発される際、健康な成人や患者さんを対象に行われる臨床試験を“治験”と言います。治験は「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP)」に則って行うことになっています。そのため、治験を勧める場合は口頭と文書による説明が必要で、受けるかどうかは患者さんの自由意思によること、断わることや途中でやめることも自由で、断ってもその後の治療に影響を及ぼさないことが前提条件になっています。

ですので、なんの説明もなく治験の同意書を求めるというのは言語道断です。また撤回を求めてきた患者さんにプレッシャーをかけるような言い方も許されません。また、臨床研究コーディネーター(CRC)と呼ばれる中立的立場の専門家もいます。看護師や薬剤師が兼務していることもあり、見た目には判別しにくいのですが、今後治験のことで迷われたらCRCを訪ねてみられてはいかがでしょうか。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ http://www.coml.gr.jp/

電話医療相談 電話06-6314-1652(月〜金曜日 9:00〜17:00 土曜日 9:00〜正午)

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