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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.146

介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

介護が始まる前に決意しておきたいこと

遠くない将来、親に介護が必要になるかもしれない……、と不安に思っている人は多いのではないでしょうか。

Mさん(男性40代)は妻と長男との3人家族。遠方の実家で母親(80代)は1人で暮らしています。Mさんは次男ですが、5年ほど前に長男はがんで他界しており、「母を介護するのは自分しかいない」と言います。「介護に備えてやっておくべきことは、やっぱり情報収集ですか。それともお金の算段?」と質問されました。Mさんの子どもは高校生で、まだまだ教育費がかかるためお金のことが心配な様子です。

確かに、介護を行うに当たり「情報」や「お金」はとても大切です。しかし、より重要なのは、「親に介護が必要になっても、自分の生活を大切にする」と決意しておくことではないでしょうか。労力にしろ、お金にしろ、「自分さえ頑張れば何とかなる」と猛進する人をしばしば見かけます。しかし、どこかで息切れするのです。対して、自分の生活をおざなりにしないと決意している人は、ブレずに、自分でできないことはサービスを利用しようとします。情報収集をして適切なサービスを、予算の範囲で取り入れようとします。少々冷たく感じるかもしれませんが、子どもといっても生身の人間です。Mさんの兄ががんで他界しているように過信は禁物です。

ただ、自分だけで考えていてもうまくいかないことがあります。親の介護では、つい頑張り過ぎてしまうので、家族間で認識のすり合わせをしておきましょう。親も子が自身の介護で疲弊(ひへい)することなど望んでいないはずです。

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