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健保ニュース 2024年1月中旬号

介護利用者2割負担の先送り
伊藤常務理事 次期見直しへ早急な結論を

厚生労働省は、12月22日に開催された社会保障審議会介護保険部会(菊池馨実部会長)に、12月20日の令和6年度政府予算編成の重要事項にかかる財務、厚労両大臣の折衝で決定した「一定所得以上の判断基準における今後の対応」を報告した。

厚労省は、介護保険における2割負担の一定所得以上の判断基準のあり方については、6年度政府予算編成過程で検討を行い、大臣折衝で、9年度からの第10期介護保険事業計画期間の開始の前までに結論を得ることとされたと説明。

利用者負担の「一定以上所得」(2割負担)の判断基準について、①直近の被保険者の所得等に応じた分布を踏まえ、負担増に対応できると考えられる所得を有する利用者に限って2割負担の対象とする②一定の負担上限額を設けたうえで、①よりも広い範囲の利用者を2割負担の対象とし、負担上限額のあり方について必要な見直しの検討を10年度までに行う─ほか、介護保険における負担への金融資産の保有状況等の反映のあり方や、きめ細かい負担割合のあり方とあわせ、早急に検討を開始することとされたと報告した。

健保連の伊藤悦郎常務理事は、「利用者負担が2割となる一定以上所得の判断基準の見直しがまたしても先送りされたことは、極めて遺憾だと言わざるを得ない」と言及。

生産年齢人口の減少が加速するなか、高齢者人口がピークを迎える2040年を見据えて、介護保険制度の安定性、持続可能性の確保、限界に達している現役世代の負担軽減を図っていくためには、より踏み込んだ見直しが不可欠との考えを示した。

さらに、「利用者の2割負担に加え、3割負担の判断基準の見直しやケアマネジメントに関する給付のあり方、軽度者への生活援助サービス等に関する給付のあり方について、確実に検討、実施する必要がある」と強調。

次期見直しに向けて、「議論が再度、先送りになることはあってはならない」と指摘し、審議時間の確保も含め、早急に議論を開始して結論を得るよう要望した。

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