イキイキごはん
季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、料理研究家・川上文代先生がご紹介します。

今や日本の食卓に溶け込んでいるイタリアン。日本に浸透したのは、理由がありました。
イタリアは日本と同様、海に囲まれた南北に細長い国土で、海・山の幸が豊富に採れます。素材を生かした料理が特徴で、カルパッチョのように魚を生で食べることも。また、日本の保存食である佃煮や明太子、塩辛などのように、イタリアにも、生ハムやサラミ、パンチェッタなど、生肉を熟成させて作る、伝統的な加工食品があります。このように、日本とイタリアには共通点が多く、食もなじみやすいというわけです。
さらには、似ている食材が多く、アンチョビの代わりに塩辛、ルッコラを春菊、オリーブ油をごま油、パスタをうどんに置き換えて料理してもよく合い、新しい風味を楽しめます。相性の良い、和食とイタリアンのコラボレーションをぜひお試しください!

- (A)を鍋に入れて火にかけ、沸騰したら弱火で1〜2分加熱し、冷やしてこす。トマトは皮と種を取って1cm角に切り、(A)に加える。
- 茹でて冷やしたそばを器に盛り、(1)を注いで、生ハム、ケイパー、バジルを添える。
- トマトと
かつお節
(だし汁) 昆布のグルタミン酸とかつお節のイノシン酸が合わさると、うま味がアップします。トマトは、グルタミン酸を含むため、かつお節との相性は◎。玉ねぎのスライスにトマトとかつお節をのせて食べるのは、理にかなったおいしい食べ方なのです。

- 絹ごし豆腐を型で抜く。からすみを薄切り、スタッフドオリーブは輪切りにする。 ※残った豆腐はお味噌汁や和え物などに
- 豆腐にスタッフドオリーブ、からすみ、ブルーチーズ、ディルをのせ、オリーブ油、塩・こしょうをかける。ケイパーベリーを添える。
- イタリア
食材 イタリアは伝統的な加工食品が多く、うま味のベースとして欠かせません。
★から時計回り
ドライトマト、生ハム(豚もも肉を塩漬けし、乾燥熟成させたもの)、サラミ(調味したミンチ肉を腸詰めし、熟成させたもの)、ケイパーベリー(実の酢漬け)、ケイパー(花のつぼみ、塩漬けと酢漬けがある)、からすみ(ボラの卵の塩蔵)、オリーブ、ゴルゴンゾーラ(世界三大青カビチーズ)、パルメザン(3年以上熟成した硬質チーズ)
スタッフドオリーブとは
オリーブの実の種をくり抜いて、赤ピーマンやアンチョビなどを詰めたもの。市販もされていますが、自分で詰めてもOK。他にピクルスやセロリ、パプリカやトマトなどでも楽しめます。
辻調理師専門学校卒業後、同校職員として12年間勤務。その間、フランスのリヨン校勤務、3つ星レストラン“ジョルジュブラン”での研修などを経験する。1996年渋谷に開設した「デリス・ド・キュイエール 川上文代料理教室」を拠点に、講演、雑誌、新聞などで活躍中。http://www.delice-dc.com/